宇宙葬を追う

昨日(9月8日)の朝日新聞朝刊の1面トップに「宇宙葬」についての記事がでていた。亡くなった人の遺骨は墓に入れることが一般的だが、「遺骨を宇宙に飛ばす」というアイデアを実現させようとしている日本人女性についての話だ。

樹木葬や海洋葬はあるが、宇宙葬はない。遺骨を宇宙に飛ばして旅をさせてあげるという思いがこもる。実現できれば世界初となる。このアイデアは茨城県つくば市に住む葛西智子さんという方が企画し、米電気自動車大手ステラのイーロン・マスクCEOが実現に力をかすところまできた。

マスク氏はスペースXのロケットに宇宙葬専用の人工衛星を乗せてくれる契約を結んだ。2億円相当の資金もみつけてきてくれた。そして今年4月、宇宙葬専用のロケットが打ち上げられたのだ。

人工衛星には「Magokoro」という名前がつけられ、5人の遺骨とペット5匹の遺骨が乗せられた。人工衛星はいま上空500キロから600キロをまわっている。そして5~6年ほどすると大気圏に突入して燃え尽きるという。そのため宇宙のゴミになることはない。

閃き的なアイデアが形となり、そこに協力者が現れて資金がつき、実現の運びとなった成功例である。何をやるにしても諦めてはいけないという訓えでもある。