悲劇のあとの選挙

7月8日に安倍元首相が射殺され、政界関係者の間には重い空気が漂っている。

犯人の山上徹也容疑者は、母親が宗教団体にのめり込み破産しており、その宗教団体と安倍氏が深い関係にあったことで「安倍暗殺」へと動いたと言われる。ただ母親の破産と安倍氏の関与は明らかではなく、山上容疑者はほとんど自分勝手な思い込みで犯行に走る。これほど迷惑で、無責任な犯罪はない。極刑になる可能性は十分にあるだろう。

こうした暗いムードの中で今日、参議院議員選挙が行われた。私は今だからこそ一票を投じなくてはいけないと思い、選挙に行ってきた。

安倍氏が殺害された直後、多くのメディアは選挙の時期だけに「安倍氏の言論を封殺する行為は決して許されることではない」と記した。だが先にも触れたが、犯人は安倍氏の言論を封殺するために殺人に及んだのではない。母親の経済的困窮の原因が宗教団体にあり、その団体と安倍氏の関係が密だったと考えて、事実関係が不確かなまま怨念を抱いて犯行にいたるのだ。

その意味で、安倍氏の死は本当に痛惜の念に堪えない。