ロシアがウクライナに軍事侵攻して4ヵ月が過ぎたという話は6月30日のブログでも記したが、プーチン氏の暴挙といえる行動は、ロシアが西側諸国に押され続けてきた結果でもある。同氏が長いあいだ圧力を感じてきたということだ。
北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が30日に終わり、そこでの最大関心事もロシアで、参加国はロシアを「もっとも重大かつ直接の脅威」と捉えた。フィンランドとスウェーデンがNATOに加わったのも、ロシアの脅威を単独ではなく複数国で受け止める方がより効果的という意味がある。それほどロシアという国はいま、ヨーロッパ諸国にとって脅威なのだ。
それは同時にNATOが首脳会議でロシアを敵国と認定したため、敵対関係がより如実に浮き上がってきたということでもある。もちろん、誰も戦争を望んではいないだろう。ごく少数の政治家だけが戦争によって得られるモノを期待しているだけである。プーチン氏にこれ以上、暴挙を起こさせないためには何をすればいいのかを、西側諸国は考えなくてはいけない。
昨日、外国特派員協会のワークルームで、ヨーロッパからの特派員とこのあたりのことを話し合った。ヨーロッパ諸国内ではいま、対ロシア政策が統一されているわけではないが、反ロシアという意識は今後さらに強まるはずだとの見方では一致していた。話し合いの中で一人の記者が語気を強めて言い放った「プーチンは決して信用できない」という言葉が今も耳に残っている。ただそこからプーチン氏を暴発させないための妙策はなかなか出てこない。
大きな戦闘に発展しないように対話をし、将来を見据えた政策を熟考することは当然だが、確実に具現化できる策がない。ここが国際関係の難しさでもある。