イデアというもの

いま売り出されている「アエラ」6月20日増大号に山下達郎氏(69)の記事がでている。すでに過去の人と思われがちだが、来週11年ぶりにニューアルバムをリリースする。

アエラのインタビューでは「まさか69歳で新譜を出せるなんて夢にも思っていなかった」と素直に喜びをあらわしている。そしてこうも言う。

「僕がやっているようなポピュラーミュージックは大衆に奉仕して、人の気持ちに寄り添うことと、「人間の生への肯定」が使命だと思っています。都市でも、地方でも、日本のどこかで真面目に働いている人のために演奏して歌う。それは昔から変わっていません」 

「人間の生への肯定」といういいフレーズが目をひく。気負いは感じられない。1975年のデビュー以来、ずっとミュージシャンを続けてきて、いまになってまたポロッという感じで新譜がでる。すばらしいことである。同時に、山下氏はこうも述べる。

「僕の音楽制作は自分の理想、僕が『イデア』と呼んでいるものを現実化する作業です。頭の中には最高のメロディーとサウンドがある」

このイデアを自分の手にするためにもがき続けているのだという。この記事に刺激を受けたので、私もこれから自分なりにもがいていこうと考えている。