違う空気

ウクライナ情勢は好転するどころか暗闇へと続く底のみえない階段を下っていっているかのようだ。

首都キーウ郊外のブチャやボロディヤンカでの一般市民の惨殺の写真をみるたびに、ロシア兵たちの無慈悲さに唖然とさせられる。もちろん国のトップにたつプーチン大統領に最終的な責任があるわけだが、西側諸国が制裁を課しても「戦争犯罪者」が痛手を被っているようにはみえない。中国やインドといった関係国が背後にいるかぎり、ロシアが本当の意味で孤立することはないだろうし、経済的に困窮することもなさそうだ。

それどころか、ロシア国内でのプーチン支持は上がっており、国営全ロシア世論調査センターによる信任度調査では、回答者の81%がプーチン氏を「信頼する」と答えている。この数字はウクライナ侵攻前から14ポイントもあがっている。ロシアでは政権トップだけでなく、一般市民もまったく「違う空気」を吸っているかのようだ。

国家間の戦争を防止するために、第二次世界大戦後に国際連合ができたが、安全保障理事会が実質的な効力を発揮して戦争を終わらせられないことは、戦後77年で嫌というほど味わってきた。国連が圧倒的な武力を行使して戦争を終わらせるべきとの考え方もないことはないが、国連が「自ら人殺し」に出て行ってはいけないという倫理が常に勝るため、ほとんど無力と言っていいほどだ。

このままではいつまでたっても国際紛争はなくならない。さらに常任理事国(米英仏中露)の意見がまとまることも少ないので、国連は名ばかりの組織に成り下がっていると言える。

私は国連が規約を改正し、明らかな戦争責任国(今回はロシア)のトップ(プーチン氏)を逮捕する権利と力を持つべきだと思うがいかがだろうか。愚考にすぎないが、、、。