急速に進む宇宙の民主化、始まる宇宙旅行時代

米アマゾン・ドットコム創業者のジェフ・ベゾス氏が主導する宇宙旅行の話題が注目を集めている。

ベゾス氏も搭乗する宇宙船の同乗者(1座席)を競争入札にかけたところ、2800ドル(約30億5200万円)という高額で落札されたため、価格だけでなく一般市民であっても将来、宇宙旅行の可能性がある点に関心が注がれている。

落札者はまだ公表されていないが、ベゾス氏の宇宙ベンチャー企業「ブルーオリジン」は12日、入札には世界159カ国から7000超の参加者があったと公表し、興味の高さが示された。

実は今回の競争入札への注目度の高さは、ベゾス氏の企画にとどまらず、今後の宇宙旅行が「観光市場」になる可能性を十分に示している(続きは・・・急速に進む宇宙の民主化、始まる宇宙旅行時代)。

鳥獣戯画展

久しぶりに展覧会を観てきた。上野の東京国立博物館(トーハク)で開催されている「国宝 鳥獣戯画のすべて」で、平安時代に描かれた10種類以上の動物たちが、実に表情ゆたかに、愛嬌のある姿で描かれていて、心の中に大きな笑顔ができたような気がした。

上野の東京国立博物
6月20日まで開催中

豊かさの限界

いま読んでいる本の中に学生時代によく耳にしたフレーズがでてきたので妙に懐かしくなり、噛み締めるようにじっくり読んでいる。

読んでいるのは講談社現代新書の「新しい世界:世界の賢人16人が語る未来」という本で、その中にダニエル・コーエンという経済学者の章があり興味深い。懐かしいフレーズというのは「マルサスの法則」と「イースタリンの逆説」である。

ご存知の方も多いかと思うが、マルサスの法則は18世紀から19世紀にかけて生きた経済学者トーマス・ロバート・マルサスが導きだした法則で、食料の生産速度よりも人口増加の方が速いために、世界は必然的に食料不足や貧困に直面するというものだ。もちろん19世紀の世界のことなので、20世紀から21世紀になって食料の生産性が上がったことで同法則に支配されることはなかった。

もう一つのイースタリンの逆説というのは、米経済学者のリチャード・イースタリンが1974年に発表した学説で、社会が経済成長を遂げて豊かになっても、市民は必ずしも幸福を得られるわけではないという内容だ。「お金=幸福」ではないのでパラドックスであるとの指摘である。

後年、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが幸福度と収入は一応比例するが、約800万円が上限で、それ以上稼いでも幸福度は大きくかわらず、経済的欲求が満たされたあとは、個々人がどういった生活をするかにかかっていると記している。

実はほとんどの方はこうした記述を意識的に、または無意識的に理解しているはずで、日々の生活のなかでいかに自分らしい幸せを見出していくかが大切になるのだが、なかなかこれが難しい、、、のが実感である。