タクシーの中へ(11)

また「タクシーの中へ」のブログの間隔が空いてしまいました。

今日、乗ったタクシーの運転手さんはたいへん饒舌で、私が質問を一つすると、1時間でも話をしていられるような方でした。なので、目的地に「アッ」という間に着いてしまったかのような印象がありました。

私が訊いたのは、主にコロナ禍での客足についてでした。前回のブログ(タクシーの中へ(10))とダブルところもありますが、あれから半年以上たっているので、最近の状況をうかがいました。

「夜中まで出歩く人がいませんから、収入は減ったままです。夜に稼げないというのは、私たちにとっては大打撃です。たとえばコロナ前は1日3万、稼いでいたとしましょう。いまは1万、いくかいかないかです。まあ、昼間に少しずつ稼いでいくしかないです」

コロナはいま第4波から第5波に向かおうという時期です。運転手さんは、「第5波がきたら、もう転職かもしれない」と言うと、高らかに笑いました。

それは冗談の笑いというより本音の虚無感を笑いにしたといった感じに聴こえ、私は何も言えなくなりました。