民主主義という混沌

民主主義が進むと政治はより混沌とするーー。

私がここ数年、考えていることである。北朝鮮のような独裁国家であると市民の声は政治に反映されないが、独裁者(金正恩)の意向はまっすぐ下に降りてくる。弊害は大きいが、政治システムという点で曇りがない。

だが民主主義は多くの声を拾い上げはするが、まとまらない。その傾向が強い。アメリカの2大政党制に対する羨望が日本の中にあるが、アメリカの連邦議会の内側をのぞくと混沌が渦巻いている。

連邦議会の支持率は過去何十年も10%台でしかない。それほど信用されていない。いまの共和党内の意見の対立は市民を落胆させつづけている。

日本はアメリカ以上に混沌としている。安倍の突然の衆議院解散には論理性がないし、民進党も生まれたばかりの希望の党へ入ることでほとんど解党してしまった。

民主主義は本来、有権者の声を聞き、意見が集約されて国政に反映されるものだが、そんなものは理想論でしかない。議員は選挙区の代表のような顔をしているが、身勝手な言動で政治は混沌としている。

それでも独裁社会よりはいいというレベルか。ああ民主主義・・・である。(敬称略)