ウサマの息子もテロリスト

ハムザ・ビン・ラディン(以下ハムザ)という人物をご存知だろうか。

 ビン・ラディンという名前がついているので、ピンとくる方が多いかもしれない。2011年にパキスタンで米特殊部隊に殺害されたウサマ・ビン・ラディン(以下ウサマ)の息子である。

ハムザがいま、父親亡き後、アルカイダだけでなく複数のイスラム過激派を統合させて聖戦を続ける人物とみなされている。今年1月、米国務省はハムザを国際テロリストのブラックリストに入れたほどだ(続き・・・アルカイダ復活、ついに表舞台に登場したウサマの息子)。

hamza9.29.17

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日馬富士と豪栄道の違い

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横綱になってから半年後の2013年2月。日本外国特派員協会の記者会見で、日馬富士を初めて目にした。

この日、日馬富士は「モンゴルという国を背負っている。僕にはさがる道がない」と言った。魂を込めて相撲をとっているという印象を受けた。いまでも相撲への姿勢は変わっていない。

9月24日の秋場所千秋楽、日馬富士は本割と優勝決定戦で豪栄道と2度対戦し、大関に圧勝した。何かが圧倒的に違っていた。

豪栄道は取組後、「思い切りいこうということだけを考えていた」と述懐したが、国を背負っている横綱と境川部屋や大阪寝屋川市を背負う豪栄道とでは背後にあるものが違いすぎた。

負けないようにくらいのレベルではないのだ。日馬富士は13年の会見で、「自分を信じてね、汗と涙で死ぬ思いでやっています」と絞り出すように述べていた。

そこには今の日本ではあまり聞かれなくなった、本当の意味での「死に物狂い」があるような気がする。そこまでしなくとも、という思いこそが大事なことがあるのだ。

あらためて日馬富士の心意気に痺れた日曜夕方だった。

Media appearance

明日の放送メディア出演予定:

 

・9月23日(土)9:30amから 朝日放送(大阪)『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ

大阪ローカルの番組なので、関西圏以外では放映されません。大阪だけに、東野幸治氏をはじめ出演者は「大阪らしい」はじけ方をします。ついていかないと!

私は国連とトランプ外交といったテーマで先生役を勤めます。

北朝鮮問題の落とし所

昨晩、BSの別所哲也氏の番組で40分ほど、トランプ外交について討論した。話の中心は北朝鮮問題だった。

番組がはじまる前、プロデューサーから「この問題の落とし所はどこですか」と訊かれた。誰もがしりたいところである。

トランプは金正恩をけなし、批判し、攻撃し、国連総会の演説では北朝鮮の「完全崩壊」さえ口にした。軍事オプションはいくつもあり、本当に攻撃もあり得るという姿勢を示した。

けれども、金正恩はまったくひるまない。アメリカに従うわけがないのだ。脅しに屈していたのなら、何年も前に朝鮮半島は非核化されていた。

経済的にも軍事的にも大国にかなわない北朝鮮は、核兵器を手にしたことで、アメリカに対抗できる伝家の宝刀を得てほくそ笑んでいる。

誰がなんといっても核を手放さない。私が金正恩でも核兵器は手放さない。

今後アメリカが先制軍事攻撃をしかける可能性はたいへん低いと考えており、金正恩もそれを十分に理解している。戦争の惨劇が悲惨すぎる。

落としどころは「パキスタンモデル」である。1998年にパキスタンが6回の核実験に成功して事実上の核保有国になった時、アメリカを含めた多くの国は核放棄を願った。

だが今は既成事実として核保有を認めるようになってしまった。その上で、テロ組織やテロ国家に売却させず、使用させずという抑止をかけて、過去20年近くも事実上の封じ込めをしている。

たぶん北朝鮮も同じようなことになるのが「もっともあり得る落とし所」だろうと考えている。(敬称略)