2グループに分かれ始めたアメリカ企業

アメリカの主だった家電メーカーがアメリカ国内でテレビを製造しなくなったのは20年以上前のことである。

業界再編や日本企業との市場争いで後退し、ゼネラル・エレクトリック(GE)を始めとする大手メーカーは国内でのテレビ製造を止めていく。携帯で名前が浸透しているモトローラも元々テレビを手掛けていたが、74年にテレビ部門を現在のパナソニックに売却した。唯一残っていたゼニスも95年に韓国企業に買収され、テレビを製造するアメリカ企業は消えた。

白熱球も今月、同じ運命を辿った。

トーマス・エジソンが19世紀に発明した電球は、本来もっともアメリカらしい家電パーツと言えたが、GEは9月にアメリカで最後まで残ったバージニア州の工場を閉鎖し、これからは製造をメキシコへ移転させる、、、、、続きは(堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』

オープン・イノベーションから一歩先へ

いまでも多くのことがアメリカから日本にやってくる。それは小売店で売られる商品から企業マネジメントにいたるまでさまざまだ。アメリカの衰退が叫ばれている中でも「新種モノ」は確実に海を越えてくる。 

そんな中、オープン・イノベーションというマネジメント手法が日本でしきりに語られ始めたのは数年前からである。

2003年、カリフォルニア大学バークレー校のヘンリー・チェスブロウ教授によって提唱されたその手法は、新しいモノを作る時、社外の技術力やアイデアを社内アイデアと同じように生かし、企業の境界線を越えていくというアプローチだった。

今では多くの日本企業でも研究されているが、いまだに「学んでくる」姿勢の段階から抜け出せていない。それは日本企業が外部のアイデアや技術に対し、究極的に胸襟を開いていないことが原因にあるようだ、、、、、(続きは有料メルマガで)。

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なぜオバマは米財界から軽視されるのか

「どこの国も(FTAを)進めているのに、我々だけが遅れをとっている」

このコメントは日本政府役人のものではない。アメリカ商工会議所の幹部の言葉である。

日本のFTA・EPA(経済連携協定)の交渉が遅れていることはすでに他方面で指摘されているが、実はアメリカ国内からも同様の憤懣が漏れている。

アメリカの民主党政権は伝統的に、財界よりも労働組合に加担する政策をとってきた。それが民主党らしさであり、一般労働者の味方という位置付けだった。

けれども、オバマ大統領は政権発足以来、財界とのパイプを太くするため、大企業のCEOをホワイトハウスに呼び、ラウンドテーブルや財界の評議会などを通じて積極的に彼らの声に耳を傾けてきた。

だが、財界人たちのオバマ政権に対する不満は静まるどころか、さらなる高まりを見せている。それは6月、ワシントンにある「ビジネス・ラウンドテーブル」という経済団体がホワイトハウスのOMB(行政管理予算局)に提出した54頁の「これだけはやってくれ」という要望書を見ただけでもわかる、、、、、(続きは9月6日スタートの有料メルマガでどうぞ)。 

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となりの芝生は青く見える

橋田壽賀子が脚本を書いた『となりの芝生』がNHKで最初に放映されたのは1976年のことである。

以来、「となりの芝生は青く見える」ということわざがずいぶん広まった。もともと日本には芝生の庭がないので、この出所は「The grass is always greener on the other side of the fence」という英語表現だと思っていた。

このフレーズは16世紀の英語文献にすでに登場している。けれどもフランス語にも同じ表現がある。その先をたどると、やはりラテン語に行き着いた(Fertilior seges est alieno semper in arvo)。隣人の様子が気になるという心情はどの国でも同じであることがわかる。

日本がスウェーデンの社会保障制度に目を見張るかと思えば、南米パラグアイの人がブラジルの放牧の広大さに羨望を抱きもする。

先日、ロサンゼルス・タイムズにスティーブン・ヒルというアメリカ人研究者が書いた「日本とドイツから学ぶもの」というコラムが目にとまった。アメリカが日本の経済発展にしきりに注目したのは80年代後半だが、いまでもこうした動きがあるという。

日本はいま財政赤字に苦しみ、デフレが蔓延して一般国民の所得は上がらない。「日本が再び世界のナンバーワンになる」という思いを抱く人はほとんどいなくなった。その日本から学ぶものがあるという。

記事では日本の生産性が落ち、消費者も投資家もカネを使わないという否定的な記述もあるが、90年代の「失われた10年」でさえも失業率は3%台で、国民皆保険は機能し、社会格差もアメリカほど広がっていないと説く。

さらに平均寿命は世界一で、乳児死亡率も犯罪率も低いともちあげる。経済成長は鈍化しているが、その中で日本とドイツはやりくりする術を学んでおり、アメリカもそこに得るものがあるはずと書く。

それはレーガン時代のサプライサイド経済からの完全な決別を意味する。トリクルダウン理論はもはや国を豊かにしないというより、今の時代にはそぐわないということだ。

これはアメリカから見た日本の芝生なのだろうと思う。本当にこちらに来てみないと芝生が本当に青いかどうかは分からない。何しろ、日本には芝生の庭などほとんどないのだから。(敬称略)

猫とアヒルが力をあわせて・・

やはりテレビの力は馬鹿にできない―。

アメリカのある経済誌を読んでいると、保険会社アフラックのCEO、ダニエル・アモスの記事が載っていた。署名は本人になっている。大手企業のCEOが自分で雑誌に執筆することは稀で、ライターが背後にいると考えるべきだが、文章を読む限り、こなれていないので彼が書いた可能性がある。

アフラックはアメリカの保険会社だが、日本のテレビCMに登場するまねきネコとアヒルのキャラクターが人気を集め、高い知名度を得ている。記事の中では日本の4世帯に1軒がアフラックの保険契約者だと書かれている。

                

本当かどうか調べると、確かに保有契約件数は国内で2000万件を超し、長年業界1位だった日本生命を抜いてトップの座についていた。会社本体の売上(08年)の70%以上は日本からである。

アメリカの保険会社がここまで伸びるとは10年前には考えられなかった。保険市場が国外企業にも開放された結果であると同時に、「♪ネコとアヒルが力をあわせてみんなのしあわせを・・・」のテレビCMに力の源泉があると思われる。記事では、CEOのアモスもその点を強調していた。

インターネット時代であってもテレビの力はすさまじい。黙っていても映像が流れでてくる強さはネットにはない。インターネットは世界中をつなぎ、数十億単位のサイトへの選択が可能だが、こちらからアクセスしないかぎり感受できない。

アフラックのアヒルのテレビCMがアメリカで放映されたのは2000年のことである。90年代後半、コマーシャル制作の担当者が「アフラック」という社名が、アヒルの鳴き声(英語)「クワック」に似ていたことから、アヒルをCMに登場させるアイデアを発案した。

以来、いくつものバージョンを制作したが、いずれもアヒルを登場させ、徐々にネームバリューが広がっていった。初年度は、100人中27人しかアフラックという名前を覚えていなかったが、2年後にはその数字は67人になった。

いまでは90%以上の人がアフラックという社名を知っている。アモスは記事の中で6500万ドル(約58億5000万円)を(広告宣伝費に)割いていると書いている。

もちろんネコが登場するのは日本のCMだけで、アモスはいまネコとアヒルのコンビをアメリカにも使おうとしている。(敬称略)