ヴァロットン展

1月2日、東京千代田区丸の内にある三菱一号館美術館で開かれているヴァロットン展に出向いた。フェリックス・ヴァロットンといえば知る人ぞ知る、「白と黒」を際立たせたアートを世界に提示したスイス出身の芸術家である。

スイスからパリに出て、19世紀末に活躍したナビ派のアーティストで、木版画で世界に名を馳せた人だ。展覧会に一歩足を踏み入れると、自分が100年以上前のパリに足を踏み入れたかのような錯覚に陥る。

今回は180点ほどの作品が展示されているが、黒と白だけでよくここまで人間の表情を、男と女の関係を、街の風景を描けたものだと感心してしまう。「新年に心に残るものを観た」との思いを抱いて帰路についた。

写真撮影が許可された1枚

勇気と想像力と少しのお金

人生に何が必要なのかー。

チャーリー・チャップリンは人生に必要なものを「勇気と想像力と少しのお金」と言った(All it needs is courage, imagination, and a little dough.)。

この言葉は言い当て妙で、「勇気と想像力と少しばかりのお金があれば何でもできる」ということで、本当に想像力を働かせて勇気をもって挑めば、多くのことは成し遂げられるだろう。そこにお金があればなおさらいい。

この言葉を意識している時に、アエラ誌を読んでいると小椋佳さんと大宮エリー氏との対談が目にとまった。小椋佳と言えば、東大を卒業したあと銀行マンになり、その後シンガーソングライターとして名を馳せた多才な人だ。そして50歳になってからもう1度東大に入りなおし、自分が好きなことを学び直している。

Photo from Twitter

対談では、「東大に入り直して、勉強し出したら、面白くてしょうがないんだよ、これが。昔、大嫌いだった法学がさ」と言う。そして「学生に戻ったら、授業が面白くてしょうがなくてさ、何か。授業が終わったら図書館に行って。朝一番から夜まで皆勤賞」と新しい人生を見出したと述べている。

小椋は結局、法学部を2度卒業した後、また文学部に入り直し、3度目の卒業をするのだ。さらに大学院にも進む。そして対談の最後にこうぶちかます。

「自分で戯曲を書き下ろして、自分の納得のいくミュージカルを1本作って死にたいなという希望があるんです」

やはり、人生はこうでないといけないと思うことしきりである。

Stylish coat

銀座3丁目のMaxmaraの横を通りかかった時に、目を奪われました。女性モノのコートですが、思わずスマホで写真を撮っていました。男モノがあったとしても、このコートを着こなす自信はありません。

宇宙葬を追う

昨日(9月8日)の朝日新聞朝刊の1面トップに「宇宙葬」についての記事がでていた。亡くなった人の遺骨は墓に入れることが一般的だが、「遺骨を宇宙に飛ばす」というアイデアを実現させようとしている日本人女性についての話だ。

樹木葬や海洋葬はあるが、宇宙葬はない。遺骨を宇宙に飛ばして旅をさせてあげるという思いがこもる。実現できれば世界初となる。このアイデアは茨城県つくば市に住む葛西智子さんという方が企画し、米電気自動車大手ステラのイーロン・マスクCEOが実現に力をかすところまできた。

マスク氏はスペースXのロケットに宇宙葬専用の人工衛星を乗せてくれる契約を結んだ。2億円相当の資金もみつけてきてくれた。そして今年4月、宇宙葬専用のロケットが打ち上げられたのだ。

人工衛星には「Magokoro」という名前がつけられ、5人の遺骨とペット5匹の遺骨が乗せられた。人工衛星はいま上空500キロから600キロをまわっている。そして5~6年ほどすると大気圏に突入して燃え尽きるという。そのため宇宙のゴミになることはない。

閃き的なアイデアが形となり、そこに協力者が現れて資金がつき、実現の運びとなった成功例である。何をやるにしても諦めてはいけないという訓えでもある。