ある出来事(3)

手術中の状況は、全身麻酔で意識がなかったのでまったくわかりません。臀部の手術なので、手術台にうつ伏せになって待機するのかと思っていましたが、仰向けのまま麻酔で意識を失い、気づいた時にはまた仰向けでベッドに寝かされていました。意識を失ってから、躰を反転させられたのだろうと思います。

ここで、予想外のことが起きました。

以前、全身麻酔であっても、麻酔が切れたあとはかなりの痛みに襲われるという話を聞いていましたが、術後痛みはまったくなかったのです。なにしろ腫瘍はピンポン玉サイズです。患部は包帯で覆われていたので、どれくらい切られたかはわかりませんが、全身麻酔のあとに痛み止めが効いていたとしても、かなりの痛みは避けられないだろうと覚悟していました。けれども、チクリともしないのです。これが現代医療というものなのか・・・。そのあと数日たっても、患部に痛みは走りません。

私は最終的に何針縫われたのかを知りたくて、執刀してくれた先生に訊きました。先生は「すべて順調でした」と、まず手術が滞りなく行われたことを述べます。私が「何針縫ったのですか」と再び訊くと、これまた目を開かせるようなことを述べます。

「近年は何針縫ったという言い方はあまりしないのです。というのも、傷口の中で細かく縫って、そのあと表皮を縫うからです」

久しく病院で手術をしたことがなかったので、的はずれな質問だったようです。術後、傷口が開かないように動きが制限されましたが、ベッドから降りて自分でトイレにいくことはできました。その時は輸液を点滴スタンドにぶらさげて移動しなくてはいけません。「これは典型的な入院患者の絵だな!」と思うと思わず笑みがこぼれました。(続)

ある出来事(2)

令和あらかわ病院に入院したのは5月13日(火)でした。午前10時に病院に到着後、すぐに受付で入院の手続きをして、病室に入ります。先生と面会をし、手術は翌14日午前9時半からであると告げられました。腫瘍はピンポン玉サイズで、それを切除する手術となると日帰りの手術で済ませられず、しばらく入院が必要になります。

ただ難しい手術ではなく、1時間以内に終わるだろうとも聞かされました。病名は「左臀部皮下腫瘍」。腫瘍という言葉が少しひっかかりますが、良性であるので心配はいらないということでした。

「全身麻酔でおこないます」

「全身麻酔ですか、、、、」

私はこれまで全身麻酔をしたことがなかったので、「新しい経験だ・・・」と思いながらも、言いようのない憂慮が心の底に張りついていました。全身麻酔という状況の中で手術が進行することは、痛みを感じないということですが、患者としては本当にいいことなのだろうかという疑問もありました。

手術前日から緊張しており、夜は眠りが浅く、何度も眼を覚ましました。朝食は食べないようにという指示がでていたので、空腹のまま手術着に着替えて手術室に入ります。手術台に寝ると、すぐに点滴用の管が左手の静脈に差し込まれました。

「それでは始めます」という合図とともに、管のついた大きなゴムマスクが顔面に装着され、息を吸うように指示されました。すると、すぐに意識が遠いていきます。私は深い眠りに入り、意識がなくなりました。

意識がもどったのは、手術が終わってから1時間ほどたってからのことでした。(続)

ある出来事(1)

しばらくブログを休んでおりました。当ブログを定期的にお読み頂いている方は、「何してるんだ?」とお思いになったかも知れません。実は入院しておりました。

昨年の中頃から、左の臀部にシコリがあるのが気になっていました。ネットで検索すると、オシリにもガンができるという記述もあり、医師に診てもらう必要があると思っていました。ただ、時間を置くことでシコリが小さくなったり、消える可能性もあるとの楽観的な観測も持っていました。

今春になって、シコリは小さくならないどころか、少し肥大しているようにも感じられたので、近所の医師のもとを訪れました。すると先生は「ウーン、かなり大きいですね」と浮かない顔をします。そして「これは取った方がいいです」と一言。そしてすぐに「手術がすごくうまい先生を紹介します」といってくれました。

その先生は東京都荒川区東尾久にある「令和あらかわ病院」にいる女医さんでした。同病院は2023年3月まで、東京女子医科大学東医療センターだったところで、荒川区からの要請を受けて開設された240床もある新しい病院です。

紹介状を持ってその女医さんのところに行くと、優しい表情の中にもキリッとした眼光が印象的な小柄な方でした。すぐに臀部を診てもらうと、「これは取った方がいいです」という判断で、「かなり大きいです。入院が必要になりますね」と静かに言いました。

あとは先生にすべてを任せるしかありません。(続)

今週はお休み

いつも当ブログをお読みいただきありがとうございます。

都合により、今週いっぱいブログをお休みいたします。また来週から再開しますので、よろしくお願いいたします。

インド・パキスタンの停戦合意は本当か

インドとパキスタンは10日、これまで続けてきた軍事攻撃を即時停止し、停戦することで合意したという。両国は1947年の第一次印パ戦争以来、繰り返し衝突してきているので、今回の米国による仲介で今後2度と戦火を交えなくなるとは考えにくいが、取り敢えず、トランプ政権による関与で一時的にせよ、停戦にいたったことはないよりかと思う。

ルビオ国務長官とバンス副大統領が、インドのモディ首相やパキスタンのシャイフ首相らと協議して今回の停戦にいたったようだが、トランプ大統領はさも自分が仲裁にあたったかのような態度で、Xで次ようにコメントをだした。

「米国が仲介した長夜の協議の結果、インドとパキスタンが完全かつ即時の停戦に合意したことを発表できることを嬉しく思う。常識と優れた知性を駆使した両国を祝福する。ありがとうございました」

戦争というものがほとんどの一般市民にとっては不幸しかもたらさないということを両政府の政治家たちは知らなくてはいけない。日本であれば、半世紀以上ものあいだ他国と戦火を交えるということは考えられないが、印パ両国民は「ここまで戦い続けた以上、勝つまでは・・・」との思いがあったと思われる。

たとえばパキスタン側の報道を読むと、「インドからの攻撃に対し国民から『弱腰だ』と受け止められないためにも反撃せざるを得なかった」という記述がある。ここに戦争が長期化してきた理由が潜む。弱腰であっても戦争をしない方がどれほど賢明なチョイスであるかを国民にわからせる必要がある。

こうしたメンタリティーをもつ国民に本当の停戦はくるのだろうか?