ある出来事(2)

令和あらかわ病院に入院したのは5月13日(火)でした。午前10時に病院に到着後、すぐに受付で入院の手続きをして、病室に入ります。先生と面会をし、手術は翌14日午前9時半からであると告げられました。腫瘍はピンポン玉サイズで、それを切除する手術となると日帰りの手術で済ませられず、しばらく入院が必要になります。

ただ難しい手術ではなく、1時間以内に終わるだろうとも聞かされました。病名は「左臀部皮下腫瘍」。腫瘍という言葉が少しひっかかりますが、良性であるので心配はいらないということでした。

「全身麻酔でおこないます」

「全身麻酔ですか、、、、」

私はこれまで全身麻酔をしたことがなかったので、「新しい経験だ・・・」と思いながらも、言いようのない憂慮が心の底に張りついていました。全身麻酔という状況の中で手術が進行することは、痛みを感じないということですが、患者としては本当にいいことなのだろうかという疑問もありました。

手術前日から緊張しており、夜は眠りが浅く、何度も眼を覚ましました。朝食は食べないようにという指示がでていたので、空腹のまま手術着に着替えて手術室に入ります。手術台に寝ると、すぐに点滴用の管が左手の静脈に差し込まれました。

「それでは始めます」という合図とともに、管のついた大きなゴムマスクが顔面に装着され、息を吸うように指示されました。すると、すぐに意識が遠いていきます。私は深い眠りに入り、意識がなくなりました。

意識がもどったのは、手術が終わってから1時間ほどたってからのことでした。(続)