ホワイトハウスでのトンラプ・石破会談が無事に終わり、日本政府関係はほっと胸をなでおろしたようだ。日本にとって日米関係が最も重要な二国間関係であることは中学生でもわかることで、トランプ氏を怒らせたり警戒感を抱かせないように、周囲は細心の注意を払っていたはずだ。
私はワシントンに25年ほど住み、ホワイトハウスもカバーして多くの首脳会談を取材したのでわかるのだが、実際に首脳同士が顔を合わせる時には会談の「ほぼ7割は終わっている」と考えていいかと思う。それまでに両国政府の関係者が綿密な打ち合わせを行って内容を詰める。
両国の首脳がその筋書きに沿って話を進めていけば成功裏に終わるのだが、トランプ氏のような政治家であると突然、「不規則発言」をする可能性がある。その時に、どういった流れになるのかは誰も読めない。だが、今回の会談ではトランプ氏は脱線せずに話をまとめたようだ。
というのも、日本が2027年度に防衛費をGDP比で2%にするといったことや、対米投資で1兆ドルという巨費を打ち上げたことでトランプ氏は石破氏を、「やはり日本の首相は米大統領についてくる」と思わせたことが功を奏したと思われる。ある意味で、日本はいまだにアメリカに頭が上がらないということでもある。