トランプ政権が発足してからまだ2週間ほどしか経っていないが、すでにトランプ氏らしい横暴さが露見している。昨日、当ブログで記したように(トランプは貿易戦争に突入した?)、 トランプ氏はメキシコ、カナダ、中国の3カ国からの輸入品に高関税を発動する予定だったが、直前になってカナダとメキシコへの関税発動を1カ月間停止すると発表。中国への発動の有無は24時間以内に協議するとした。
トランプ氏が発動直前で「ドタキャン」したのは、「恫喝外交」が功を奏したからだと思っている。トランプ氏は当初からカナダとメキシコに25%という高関税を課せば相手側が折れてくると踏んでいたはずで、思惑通りの展開になったということである。このアプローチは英語で「ハードスタンス (強硬姿勢)」といわれるもので、強くプッシュすれば相手は折れてくることを見越した動きと捉えられる。
そもそもトランプ氏が高関税を課すことにしたのは、隣国から薬物のフェンタニルや不法移民の流入が止まらないからで、それは隣国に多大な責任があると考えていた。メキシコのシェインバウム大統領はトランプ氏との電話会談で、1万人の兵士をすぐに国境に派遣することを約束し、トランプ氏の要請に応えている。バイデン政権の時にそれをしなかったのは、バイデン氏を脅威と感じていなかったからと言わざるを得ない。
またカナダのトルドー首相もトランプ氏との電話会談で、13億カナダドルの国境警備計画を告げただけでなく、フェンタニル対策の責任者を任命することを約束している。結果的にトランプ氏の恫喝外交がいい結果を生んだわけで、トランプ流はこれからも多用されると思ったほうがいい。今週7日に行われる石破・トランプ会談で、いったい何がでてくるのだろうか。