ブリンケン国務長官の訪中

ブリンケン氏が訪中するのはバイデン政権下では初めてのことで、冷えついた米中関係を少しでも改善できればという意図が伝わる。

日本を含めた世界がもっとも望まないのが、米中全面戦争である。両国が戦火を交えれば、日本も当然のように巻き込まれ、ただ事では済まない。そうでなくとも、台湾問題では両国の利害が対立しているため、まず交渉の場を定期的に設けることがなによりも重要になる。

南シナ海や台湾海峡では、中国軍と米軍の戦闘機が接近する事態が頻繁におきている。中国はいずれは台湾を手中におさめたいと思っているが、台湾は独立国家として存在していると考えているので、両者の間には軋轢がある。もし中国が武力を行使して台湾を占領しようとしたら米国は黙っていないし、その時は大規模な交戦に発展する可能性が高い。

米国は台湾への武器供与をつづけているし、中国側はこれを内政干渉と捉える。武力に打ってでる前に、両国はテーブルを挟んでじっくりと交渉し、打開策をみつけなくてはいけない。