豪快さに脱帽

連日ウクライナでの戦闘のニュースを見聞きするたびに、少しばかり塞いだ気分になる。そうした時は楽しいストーリーや心が躍る話を求めたくなるが、今日、ある場所で驚きのシーンにであった。

私は中華料理が好きで、よくランチに中華のお店にいく。いわゆる「名店」も好きだが、「町中華」といった店も好きで、今日は一人で庶民的な店に入り、五目かた焼きそばを注文した。

出てくるのを待っている時、OL風の女性が私の左側のテーブルにきた。ウェイトレスさんが水を運んできた時、その女性は「生を!」と言ったのだ。まだ商品を注文する前である。私は心の中で「ホホッ、イイねえ」と呟いていた。

女性のビールが運ばれてくるのとほぼ同時に、私のかた焼きそばが来た。私はお酢をかけて、かた焼きそばの麺が少しばかりシンナリするのを待っていた。ウェイトレスさんが女性の注文をとりにきた時、その女性は「もう一杯!」と言ったのだ。明確な滑舌だった。

オーダーする前に一杯目を飲み干していたことに驚き、チラリと彼女をみた。20代と思われる女性は普通体型で、長髪のなかに女性の艶やかさが隠されたような、どことなく神秘的なムードを漂わせた人だった。そして「中華丼の大盛り!」と言ったのだ。「オオッ、イイねえ」である。

ランチにビールを注文する人は少なくないが、2杯である。しかも驚いたことに、中華丼が運ばれてきたときに、女性は「おかわり!」と言って3杯目を注文したのである。その豪快さに感服し、私は握手をしたい気分だったが、必死にこらえてかた焼きそばに集中した。4杯目にいくのかどうか見守っていたが、結局3杯と中華丼の大盛りでその日は終わったようである。

男でもここまで豪快な飲みっぷり、食べっぷりの人にはなかなか出会えないので、なんとなく得した気分になった。そして店をでる時、私の顔には笑顔がついていた。