このところニュースはずっとウクライナ問題に席巻されている。プーチンがウクライナをベラルーシのような国にしたいと思っていることは容易に察しがつくが、それだからといってウクライナ人を殺傷していいわけがない。
過去2000年ほどの歴史を辿っただけでも、ある意味で「戦争の歴史」と言えるほど人類は争い事を繰り返してきた。学生時代、21世紀になると人間は以前よりも賢明になって戦争を回避するようになるかもしれないとの淡い期待を抱いていたが、それは過ちだったと言わざるをえない。
ロシア軍による攻撃でウクライナの幼児が殺傷される姿は目を覆いたくなる。プーチンは自国軍によるそうした殺傷行為を十分に理解した上で侵攻の命令をくだしているわけで、ある意味で殺人者と言っても過言ではないだろう。
最近、ニュースで散見されるプーチンをみると、孤独な独裁者のように見えなくもないが、ウクライナ侵攻を一人で指示してきたわけではない。頼りになる腹心がいるのだ。国防相のセルゲイ・ショイグがその人である。ショイグは2014年のクリミア侵攻の立役者といわれた人物で、軍事面でプーチンが最も頼りにする腹心である。
いまでも戦略だけでなくイデオロギーの観点からもプーチンが全面的に信頼を寄せる参謀だ。プーチンがウクライナ侵攻を単独で主導することなど所詮は無理な話で、こうした部下がプーチンを「動かしている」という現実がある。逆に西側諸国はこうした人物に強力に働きかけて停戦にむかわせるべきだろう。(敬称略)