ウクライナの今後

ロシアがウクライナに軍事侵攻してから半月がたつが、いまだに戦火が止む気配はない。むしろ、本当に過激さを増すのはこれからだろうと思っている。

当欄で3月2日に「練り込まれていたウクライナ侵攻」というブログを書いたが、その中でイギリスの王立防衛安全保障研究所(RUSI)が2月15日に公表した「ウクライナ破壊の陰謀」という報告書を紹介した。

同報告書はこれからロシアがウクライナで何をしようとしているのかが予見されており、驚くべきことに、公表からほぼ1カ月がたって、大方の記述は当たっているのだ。報告書には、「、、、、ロシアの諜報機関である特殊部隊(SSO)、連邦保安庁(FSB)、対外情報庁(SVR)、軍事情報部(GU)はすでにウクライナ全土で活動している。FRB第5局のウクライナチームは大幅に拡大されて、積極的に情報調査を実施している」とある。さらに「キエフにはロシアの秘密特殊部隊が2個中隊ほど進駐しているとみられる」との記述もある。

報告書はまた「通常戦争が始まれば、、、」という前提の話もあり、ロシアがいかにウクライナよりも兵力で優位にたっているかが記されている。そしてロシアがいかにしてウクライナ領土に侵略するかの詳細もある。ウクライナに接するロシアのロストフ州から部隊は西に侵攻するだけでなく、ウクライナ北部のベルゴロド州からは南下、クリミアからは北上するとある。これは実際にロシアが侵攻する10日ほど前に公表された報告書であるが、いまその通りのことが起きている。

ただ、当初予見されていたよりもウクライナ側からの抵抗が強いと思われる。実は報告書内にはその時のことも述べられており、「圧倒的な火力で戦うことを選択するかもしれない」とある。その時は全面戦争に拡大する可能性があり、今後も注視していかなくてはいけない。