盛り下がる中間選挙

アメリカでは今年11月8日、中間選挙がある。大統領選が4年ごとに実施される中(前回は2020年)、その中間にあたる年に連邦上院の3分の1(34議席)と下院の全議席(435議席)が改選されるのが中間選挙だ。

大統領選は世界中から注目を集めるが、米議会の選挙には大きな関心が払われない。それは何も外国人だけでなく、アメリカ人でさえ中間選挙に関心を寄せる人は多くないのが実情だ。普段から国政に興味を抱いている人が多くないのは、投票率を眺めると理解できる。

大統領選では4年ごとに約60%の投票率があるが、中間選挙になると40%前後にまで下落する。4割に満たないことも多く、逆に中間選挙に投票所にいく人は政治に対してそれなりの思い入れがある有権者であることが多い。

同時に、現政権に不満を抱いている人が中間選挙に足を運ぶことも多く、与党は中間選挙で負ける確率が高くなる。政権与党の民主党はいま、上下両院で過半数の議席を確保しているが、11月は両院で負けて少数党になる可能性がある。そうなると、バイデン大統領は2024年まで任期があるので、ホワイトハウスと議会はいわゆる「ネジレ」を起こすことになる。

今年11月に民主党が両院で共和党に負けて過半数を割れば、24年の大統領選までバイデン氏はレームダック(死に体)ということになり、大統領が主導する法案はことごとく議会で否決され、ワシントンの政治はなかなか前へ進まなくなる。こうしたことは何もいまに始まったわけではなく、連綿と続いてきたワシントンの旧弊な制度であり、「新しモノ好き」のアメリカ人でも変えられずにいることである。