ひとつのヒミツ

ヒミツというわけではないですが、私は両手で箸を使えます。自宅で食事をする時はほとんどの場合、左手を使っていますが、外で食事をする時は右手を使います。なぜなのか。

もともと右利きなので、箸もペンも、ボールを投げる時も右手を使ってきましたが、ある時をきっかけに左手も使うようになったのです。それは2007年に起きた出来事がきっかけでした。

いまは亡き母親が脳梗塞を発症して、右半身が麻痺して自由が利かなくなったのです。左脳に損傷をうけたため、言葉も交わすこともできなくなりました。右手が使えないため、左手でスプーンをもって食事を口に運びます。不憫でしたが、病気の後遺症として受け入れるしかありません。

その時、「左手しか使えないのであれば、私も一緒に左手を使おう」と思いたち、左手で箸を使うようになったのです。今から考えるとたわいもないことですが、当時は「母親と何か一緒に」との思いがあり、左手で箸をつかうことに固執しました。その後、母親が他界しても左手で箸を使うことは続けました。

ですから過去14年ほど、左手を使っているのです。最初の数カ月はぎこちなく、豆をつかんだり、麺をはさんだりすることは大変でしたが、さすがに14年もたつと右手と同じように使えます。ただこれまで、妻以外に「箸の両利き」を見せたことがないので、周囲の人はほとんど知りません。

外食では右手を使っていますし、両手で箸を同時にもつこともないので「隠れた特技」として秘めたままにしてあります。ただ今日、当ブログで明かしてしまったので、「見せてください」との要望がこれからあるかもしれないですが、、、、。