初めての胃カメラ

いまだに「人生初」というものがある。

これまで私は胃カメラ(内視鏡)による検査を受けたことがなかったが、今日(20日)初めて経験した。多くの方は40歳前後に胃カメラを飲むようだが、私は遅咲きというか、出遅れもはなはだしく、63歳になってようやく内視鏡経験者の仲間入りとなった。

ずっとフリーランスの立場でいるため、いままで受けてきた区役所の定期健診に内視鏡検査は入っておらず、こちらが追加料金を支払って「胃カメラをやります」と言わなかったので、してこなかった。胃腸の不具合は感じていないが、たまには総合病院でしっかり検査をしてもらおうと考え、今回人間ドックを受けることになった。

胃カメラについては多くの知人・友人から「痛かった」とか「吐いてしまった」といったネガティブなコメントを聴いていた。同時に、「麻酔(鎮痛剤)を打ってもらうと楽」という話も耳にしていたので、以前から「胃カメラを飲むなら麻酔だな」と思っていた。人間ドックの申し込みをする段階から「鎮痛剤」のところに印をつけたので、今日も「しごく当然」という流れで鎮痛剤を打ってもらって胃カメラに臨んだ。

人間ドックだったので、血液も随分採取される。胃カメラの前に採血があり、静脈に針がささったままになっていて、そこから鎮痛剤が入れられた。担当の方から「緊張していますか」との質問がきて、「少しだけ」と答えてからたぶん10秒も経っていないうちに、私はもう意識を失くしていた。

次に目を開けたのは「ホッタさん!」と名前を呼ばれた時である。名前を呼ばれた瞬間、私は上半身を起こして「ハイ」と答えていた。胃カメラ検査はすでに終わっていた。

気分そう快で、朝に目が覚めた時よりも爽やかな感覚だった。だがすぐに食道に違和感を覚え、少し咳き込んだ。しかし痛みはまったくない。5分後には水分も食事も摂っていいということだったので、麻酔に感謝という気持ちである。

検査のため朝から何も食べていなかったので、昼は久しぶりにカツ丼の「上」を食べたが、ベッドの上で意識がなかっただけに「胃カメラをやった」という達成感などはなく、何となくカツ丼が浮いてしまった感じのまま自宅にもどった。