タイフーン・ファクサイ

今朝、関東地方から太平洋に抜けていった台風15号。英語ではファクサイ(Faxai)という女性の名前がついていた。ご存知の方も多いと思うが、台風もハリケーンも男性の名前と女性の名前が交互に英語でつけられる。被害をもたらす嵐であっても、人の名前がついていることで、どことなく愛着がわいたりする。

ただ日本列島に近づく前から非常に強い台風で、雨量も多いと言われていたので首都圏を中心に、大きな被害が心配された。だが、大打撃と言えるほどの損害はなかった。何よりである。

私がジャーナリストとして独立して2年目の1992年、フロリダ州をハリケーン・アンドリューという大型ハリケーンが襲った。私はすぐに現地に向かってレンタカーで被災地を取材した。

ハリケーンが通過していったところが帯状の被害を受けていた。ショックだった。というのも、中心部分のかなり広い範囲の帯部分に建っていた家屋が全半壊していたからだ。なぎ倒されたという言葉が適語だった。

風は瞬間最大風速80メートルに達しており、帯部分の家屋は根こそぎやられたという印象だった。全半壊戸数は18万。多くの住民に避難命令がでていたので逃げたが、それでも65人の方が亡くなった。

戦場を取材したことはなかったが、空爆を受けた跡はこうなるのかと思えるほどの惨状に思えた。東京があのレベルの嵐に襲われたらと思うと、いてもたってもいられない。