トランプ、なぜ大勝利なのか

アメリカの中間選挙が終わり、トランプはツイッターで「トレメンダス・ビクトリー(素晴らしい勝利)」と強がったが、連邦下院で負けたので勝利なわけがない。大負けではないにしても「中負け」が適語だろう。

大統領選から2年後の中間選挙で与党が勝つことは珍しいので、結果はほぼ予想どおりである。過去100年で与党が勝ったのは3回だけ(1934年、1998年、2002年)しかない。正確には2回と述べた方がいいかもしれない。

というのも、98年はクリントンの民主党が議席を失いはしなかったが、上下両院で過半数を奪えなかったからだ。上院では現状維持の45議席、下院では4議席増やしただけで与党にはならなかった。

ところが今回は上院は共和党のままだが、下院では11月9日時点で民主党が225議席を奪って多数党になった(過半数218)。最終的な結果を待つと、民主党は230くらいまで議席を伸ばすかもしれない。予想どおり、トランプの負けである。

一方、連邦下院が与党になってもトランプ政権の政策に大きな変化は生まれないとみるべきだ。通商政策や金融政策はホワイトハウスやUSTR(通商代表部)、FRB(連邦準備制度理事会)が決定するからである。対日政策についても、トランプ流が今後も同じように続くはずだ。(敬称略)

 

・11月10日(土)8:00amから 日本テレビ/読売テレビ『ウェークアップ!ぷらす

(先週と同じで、スタジオ出演ではなくカメラの前で話をした映像が編集されて使われるだけです)