ただならぬ意気込みであるーー。

次の国防長官に指名されたアシュトン・カーター前国防副長官(60)は1994年、北朝鮮への空爆を進言していた。米軍による空爆は第2次朝鮮戦争につながらないとも限らない。

チャック・へーゲル国防長官が辞任を発表したことで、バラック・オバマ大統領は今月5日、後任の国防長官として安全保障政策の強硬派と言えるカーター氏を指名した。

カーター氏とはいったいどういう人物なのか。冒頭の北朝鮮空爆論にいたる経緯を説明するところから始めたい(カーター次期国防長官は北朝鮮への空爆を進言していた)。

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12月5日、ホワイトハウスの執務室でカーター次期国防長官と。

by the White House

自動車部品大手タカタのエアバッグ問題が最悪の結末へ向かいつつある―。

これが正直な感想である。このところ、タカタ問題が主要メディアで大きく扱われていないため、事態が収束しているかに見えるが、問題は肥大化しているのだ。

読者の方であれば、概要は既知のことかと思うが経緯を簡単に述べたい(米弁護士に寄ってたかって食い物にされるタカタ)。

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by NHTSA

ヒョウ柄のどら焼き

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先月、テレビのニュース番組に呼ばれた時、上のどら焼きを紹介させていただいた。

打ち合わせでスタッフは、「堀田さんのお好きなスイーツを紹介するコーナーがあります。何を紹介するか考えておいてください」と言った。

数日後、ディレクターから電話があり、「洋菓子ではブールミッシュというケーキ店さんのシブースト、和菓子であれば自宅近くの黒松というどら焼き」と返事をした。

「どら焼きは毎日、店の前に列ができています」とつけ加えると、ディレクターは「どら焼きにしましょう」と即答した。1個100円。

店の横を通ると黒砂糖の匂いが漂う。ヒョウ柄のような皮はマシュマロのような弾力がある。ただ行きつけのサンドイッチ屋の店主は言う。

「昔はもっと大きかったし、手焼きだったんだ。中のあんこもたくさん入っていたしな。機械で焼くようになってから味が落ちたよ」

嫉妬がいくぶん入っているようにも思える発言だったが、反論しなかった。午後の早い時間に売れ切れてしまうことも多く、最近はつねに列ができている。

私はいつでも買えると思っているので、列には並ばない。だから、このところ買う機会を逃しており、食べられない日が続いている。

ただ食べないとどうにかなるほどの禁断症状もでないので、相変わらずおあずけ状態がつづいている。

小さな夢

小学6年生の時だった。先生が「将来の夢を絵にしなさい」と皆に告げた。

ほとんどのクラスメートは長い時間をかけずに絵を描きはじめる。私は絵がかなり下手だったこともあり、なかなか描きだせないでいた。というより、「何になりたいか」の答えがでていなかった。

周りの友人たちは宇宙飛行士やスチュワーデスなど、具体的な職業を描きはじめていた。

「どうしよう。本当にわからない」。正直な思いだった。

一流企業の会社員になることが夢ではない。科学者や研究者でもない。植木屋さん、、、でもない。スポーツ選手も無理だろう。何になりたいのか、分からなかった。

授業が半分ほど過ぎたころ、というよりお腹がへりはじめたころ、私は「ホットドッグ屋」を描いていた。自分でもまったく思いがけないことだった。

うまく描けなかったが、一応誰が観てもホットドッグ屋のはずだった。というのも、絵の中にホットドッグというサインを描いたからである。

それから3年ほどして、母親がいきなり東京都中野区の公共施設のなかで喫茶店をはじめることになった。父親は普通に会社員を続けていたので、経済的な理由というより個人的な興味からだった。

高校に入ってから、週末になると店にかり出された。最初は皿洗いをし、ウェイターを経験し、大学に入ったころには調理や店のマネジメントをするまでになっていた。

そこでホットドッグも出していたのである。純粋なホットドッグ屋ではないが、大学時代のある日、自分の机の戸棚からその絵がでてきたのを見て思った。

「クラスの中で一番最初に『夢』を実現したかもしれない」

誇らしくも何ともなかった。実現可能な小さな夢だったからである。

自分でもまったく予期せぬことを描いたつもりのホットドッグ屋の夢が、思いがけないことで現実のものとなっていた。

不思議なもので、その頃にはワシントンでジャーナリストになるという次なる夢が現れており、今にいたるのである。人生、どう転ぶかわからない。

「お疲れさま!」が好きなオバマ

「またやってくれました」

これが正直な気持ちである。何のことかと言うと、オバマが世界に送りだす大使をまたしても論功行賞で選んだのだ。

オバマは2012年選挙で、自分のために選挙資金をたくさん集めてくれた人物を何人も大使として起用している。駐日大使を務めるキャロライン・ケネディもその1人だ。

最近ではハンガリー大使にテレビ番組のプロデューサーをしているコリーン・ベルという女性を任命した。連邦上院は12月2日、52対42で「ベル大使」を承認。ベルはオバマのために200万ドル(約2億3000万円)を集めたと言われている。

さらに同日、連邦上院は50対43でロサンゼルスのコンサルティング会社のトップであるノア・マメットをアルゼンチン大使に承認。マメットは人生で1度もアルゼンチンに足を運んだことがないと素直に認めている。スペイン語もほとんどできないし、彼がアルゼンチンに深い思い入れがあるとの情報もない。それでも上院は2人を承認した。

オバマ政権下ではこれまで、大使の5割以上がこうした形で決められている。政治任用だ。ブッシュ・クリントン両政権時代にも少なからずあったが、政治任用は30%台にとどまっていた。けれども、オバマは「お疲れさま!」的な論功行賞で大使を決めている。

確かに大使に国務省の外交官を使う義務はない。国内外で多くの経験を積んできた財界人や政治家を起用して成功した例は少なくない。だが、個人的なコネでここまで大使を決めていいのか。「これからいろいろ勉強します」では相手国に対して失礼である。

ちなみに、アルゼンチン大使に決まったモメットがオバマのために集金した額は140万ドル(約1億6500万円)だという。

大使はカネで買えるのである。(敬称略)

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by the White House