大リーグのヤンキースで活躍した松井秀喜が17日午後3時、日本外国特派員協会の会見に現れた。
来年3月に行われるチャリティー野球の広報としての役割でメディアのスポットライトを浴びたのだ。記者を含めて200人以上が詰めかけ、テレビカメラも10台以上が正面から松井を狙う。ジャイアンツ監督の原も横に座っている。
会見内容はチャリティーに限定されていたため、松井はそれ以外の質問には答えようとしない。これまで多くの質問を受けてきている経験から、巧みに質問をかわす術を会得している。
しかし訊かないわけにはいかない。私は手を挙げた。
「ジャイアンツから監督の要請があったら、原監督のあと、引き受けますか」
「困りましたね、、、」。松井はいい顔をしなかった。
すると原が言い放つ。
「僕も聞きたいね!」
拍手と笑いがおきた。だが松井は乗ってこない。
少しうつむきながら、「違うところ(機会)で話をした方がいいですね」と静かに言った。
その言葉で松井という人間の実直さがわかった気がした。それ以上は誰も突っ込まず、少しばかり白けた空気が漂う。
自らが笑いを作り、周囲を哄笑の渦のなかに巻き込むことはないが、この人ならば間違ったこともしないという思いがある。それが彼のよさなのかもしれない。(敬称略)