トランプが意識する賞

ノーベル平和賞ー。

昨年からトランプの周囲にいる人間が「ノーベル平和賞にあたいするのでは?」というシグナルをだしている。

私の判断では「ありえない」のだが、トランプ本人はまんざらでもなく、彼の心の奥底を覗くことができたとすると、ブロンドの髪の毛をなびかせながらヘッヘッヘとしたり顏をしている大男が座っているかに見える。

賞についてトランプは「自分から言うことではない」と、彼らしくない謙虚な態度でいるが、本当は「ノーベル賞が獲れたらあとは何もいらない」と思えるほど、強欲になっているようなのだ。

そのために金正恩と握手をし、会談を繰り返しているようにも思える。英首相ボリス・ジョンソンも「北朝鮮問題を解決し、イランの核問題も解決したら、オバマ大統領のノーベル平和賞以上の受賞理由になる」と発言し、トランプの背中を押している。

これまでアメリカ大統領としては4人がノーベル平和賞を受賞している(セオドア・ルーズベルト、ウッドロー・ウィルソン、ジミー・カーター、バラック・オバマ)。その中でもオバマは在任中、しかも大統領就任後1年半での受賞だっただけに、トランプとしては「俺だって」という思いが募っているという。

しかもオバマの時は民主党内からも「エッ、平和賞にあたいすることを達成しましたっけ」というくらい予想外の受賞だっただけに、トランプとしては自分も資格があると考えても不思議ではない。

今年のノーベル平和賞の発表は10月11日。ここまで301の個人・団体が候補になっていることはわかっている。だがトランプが候補にあがっている、、ことはないはず。(敬称略)

クマモンとラグビー

今年1月から千代田区丸の内仲通りのベンチに、ラグビーボールを手にしたクマモンが座っている。

ワールドカップを盛り上げようと、長い間座っていたのだ。海外からやってきた人たちもしきりに写真を撮っていく。

開幕するやいなや、ラグビーファンであろうがなかろうが、「男たちの肉弾戦を観るべし」という空気が高まってきた。試合中のテレビCMもラグビー・バージョンになった。

私もにわかラグビーファンになって、試合を観ている。ただ、年代も職業も違う男女2人ずつの仲間がいて(1人は私)、数年前からワールドカップの試合を観に行こうという話がでていた。

仲間の1人がチケットを手配してくれていて、10月の準々決勝を観にいくことになっている。その試合の対戦カードはもちろんまだ決まっていないが、日本の可能性もある。

スポーツはいろいろやってきたが、ラグビーは経験がない。本当に観るだけである。だからしろうとはシロウトとして、偉ぶらずに試合を楽しみたいと思っている。

韓国からの風

先日、韓国から友人が東京にやってきた。何年も前から知っている人で、気がねなくどんなテーマでも話ができる友人だ。私がソウルに行ったこともある。以前、日本に住んでいたこともあるので日本語が堪能で、こちらが日本語を「手加減する」ことはない。

日韓関係がよくないが、そんなことはものともせずに東京にきて、語り合った。日本のことをよく知る人だけに「日本びいき」と言ってもいいが、韓国人なので、もちろん今の韓国国内での日本批判の動きもよく理解している。

「周囲の人が日本の悪口をいっている時、さすがに黙っていますよ。日本を擁護しようものなら、どうなるかわからないですから」

それはどこの国でも共通する心情であり、周囲から浮かないようにするための処世術ともいえる。嫌韓が日本で広がっているように、韓国では嫌日がいまの流れであるという。

しかし、すべての韓国人が日本を毛嫌いしているわけではないし、メディアが緊張をさらに増幅させ、仲たがいするように煽っているようなところもある。私は個人的に、最近の嫌韓報道の多さに辟易させられている。

両国同士が批判し、攻撃しつづけることで緊張が解け、問題が解決されるならいいが、嫌韓と嫌日の言動が両国関係をよくするとは思えない。批判の根底には事実関係以上に感情的な怨讐があるように思えてならない。

悪意や憎悪が勝つような国家関係は人間の愚かさの表れだ。ただ今回、国家間の関係よりも個人的な人間関係の方がまさることがわかり、嬉しく思っている。

トランプ政権と軍産複合体

軍産複合体――。

懐かしい響きの言葉である。米国の軍需産業と国防総省(ペンタゴン)が維持する相互依存体制のことだ。

ドワイト・アイゼンハワー大統領が1961年の退任演説で軍産複合体について述べたことで、世に広まった。

演説全体を通して、軍需産業とペンタゴンの結託は危険であると警鐘を鳴らしている。演説の中ほどで、次のように述べている。

「軍産複合体により、市民の自由や民主的活動が危機にさらされてはいけない」

そしていま、軍産複合体という言葉が再び注目を集めている。ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)のもとで、軍産複合体が拡大しているのだ。(続きは・・・トランプ政権で我が世の春を謳歌する軍産複合体