再びオバマ対ロムニー

アメリカ大統領選は、各州の予備選が着々と進んでいる。

4月3日。ウィスコンシン、メリーランド両州と首都ワシントンの3ヵ所で行われ、前マサチューセッツ州知事ミット・ロムニーがすべてで勝利を収めた。代議員数はすでに600を超えている。

これまでも書いてきた通り、共和党の代表候補はロムニーで決まるだろう(オバマ対ロムニー )。今後はオバマ、ロムニー両陣営が互いをどう攻撃していくかに関心がシフトされる。すでにロムニーは共和党ライバルより、対オバマを意識した発言を増やしている。

いまはまだ前上院議員サントラムや元下院議長ギングリッチがロムニー批判を弱めていないが、今後1ヵ月ほどで共和党はロムニーに候補を一本化することになるだろう。そうなれば、これまでロムニー支持でなかった共和党保守の福音派の人たちも彼を推すことになる。

彼らにしてみれば、「オバマよりはロムニーの方がまだまし」であり、オバマを倒せるかもしれないとの願望がある。

私の予想は昨年からオバマ有利で変わっていない。いや、最近になってオバマ再選の可能性がより高くなっているとの判断だ。(敬称略)

by the  White House

置き去りにされたニュース

仕事がら、毎日世界中のニュースに眼を這わせている。

主要メディアは重要なニュースにしか力点を置かないので、「置き去りにされたニュース」は数知れない。事件という点ではアメリカの多様性と件数が際立つが、残虐性という観点からではメキシコが群を抜いている。

1つには麻薬密売で潤うギャング団が抗争を繰り広げており、その被害が一般市民にもおよんでいるからだ。首が落とされてゴミ箱に捨てられたとか、処刑スタイルで銃殺され、手足を切断されたあとに歩道橋からつり下げられるといった凄惨さが眼につく。

さらに、あるメキシコ人女性が家庭内暴力(DV)を逃れて保護施設に入ると、そこが売春宿だったといった笑い話にもならないニュースさえある。

そうした世界の諸事を眺めると、日本はなんと安全で住みやすい国なのかと思う。あるファーストフード店に入り、レジの前に列ができている。店員が「まず席をお取りください」といって荷物を置くことを促す。

こうした行為を普通の所作として受け入れているのは日本以外にないだろう。多く国では、その荷物を盗んでくださいといっているのと同じだ。

それが平和ボケにつながるという考え方もあるが、日本はその平穏さを誇るべきだと思う。ただ国外に出たときは、「別人」のようになって身を引き締めなくてはいけないが、、、。

米大統領選:予想どおりの展開

アメリカ大統領選の共和党の戦いは、予想どおり前マサチューセッツ州知事のロムニーが党の代表候補となりそうだ。

日米の主要メディアは前ペンシルバニア州上院議員のサントラムの躍進をしきりに説いたが、「時すでに遅し」というより最初から可能性はなかった(残りカスのサントラム )。

新聞・テレビは大胆な予想はしないし、外せば問題になるので無難な表現しかしない。だが、今年の選挙はスタートからほとんど結果が読めていたという点で、つまらない戦いだった。自慢ではないが、昨夏の時点でロムニー以外の候補に圧倒的な強さはなかった(オバマ対ロムニー )。

「いくらなんでも判断が早過ぎないか」

そう思われる方がいるかもしれない。確かに予備選は6月下旬まで続く。共和党からの指名を受けるためには、各州から代議員数を1144人以上集めないといけない。ロムニーは3月20日時点で560人。ほぼ半数である。

だが2番手につけているサントラムは246人。ギングリッチは141人。ロン・ポールは66人。今後サントラムが指名を受けるためには残りの州で、代議員を4分の3以上も獲得する必要がある。事実上、もう勝負はついてしまった。ギングリッチに至っては残りの9割を獲得しなくてはいけないので、早く撤退した方がいい。

それでも、敗者にもそれぞれの思いがあるのが選挙で、客観的にもう勝ち目がないとわかっていても、すぐに辞める決断はできない。4年前、オバマと戦って負けたマケインは2000年の選挙でもブッシュに負けた。その頃を振り返り言っていた。

「頭では勝てないこととわかっていた。でも周囲の熱烈なサポーターは『行け、行け!』と言うし、自身の心も『まだ行けるかもしれない』との思いがあった」

当事者でなくてはわからない辛さである。(敬称略)

噂を見極める

過去2日、死亡した人の銀行口座の凍結について記してきた(噂のウワサ 真実の噂 )。

インターネットでも情報を拾った。すると「すぐに凍結された」という遺族と、「死後もずっと使用できる」という遺族とに別れている。そこで三菱東京UFJ銀行本店に問い合わせた。相続処理を専門にしている担当者と話をすると、後者が普通であると言う。

「死亡届けを受理する役所と金融機関がオンラインでつながっているということはありえません。ですから、金融機関は預金者が亡くなった事実を通常、知ることはないのです」

遺族が銀行側に、親族が亡くなりましたと申し出ない限り、その口座は開いたままである。ただ、実際にすぐに凍結されてしまったケースが少なくない。

これは新聞に死亡した事実が公表されたり、銀行員が故人の世話をしていたことで死亡を確認した場合など、何らかの形で金融機関側に死亡の事実が伝わったケースだ。それが無ければ口座はそのままだ。

今日のところはここまでだが、この件についてはもう少し奥行きがありそうな気もしている。また新しい情報が入手でき次第、お知らせしたい。