中間選挙を斬る(1)

ushouse7.2.18

Photo from Youtube

アメリカではあと4ヵ月ほどで中間選挙(11月6日)が行われる。これから11月6日まで、何回かにわけて「中間選挙を斬る」のシリーズをお届けする。

日本ではよほどアメリカの政治に関心がある方以外、中間選挙を話題にすることはないだろうが、アメリカではすでに各州で予備選が行われて、メディアの関心も高い。

結果から述べると、現在連邦上下両院で過半数を握る共和党が負ける可能性が高い。

共和党が過半数を割れば、来年1月以降、トランプは予算案を含む重要な法案を成立させることが難しくなる。なんとしても過半数を維持したいとの思いはトランプの悲願でもあるが、現実は「ブルーウェーブ(民主党の波)」が押し寄せている。

理由の1つは歴史が示している。1950年から2010年の60年間で、与党が失う下院の平均議席数は26.今年、連邦下院共和党が26議席を失うと民主党に過半数を明け渡すことになる。

なぜ与党は中間選挙で勝てないのか(続きは後日)。(敬称略)

大好きな引っ越しができなくなったアメリカ人

米国人が引っ越ししなくなってきたという話を先日、米国の知人から聞いた。

米国人と言えば、「引っ越しを繰り返す国民」という印象がある。筆者の滞米25年の経験からも転居をよくする人たちとの思いが強い。

古い映画で恐縮だが、1955年に公開されたジェームス・ディーン主演の『理由なき反抗』の中でも描かれていた。

ディーンが演じるジムは問題を抱える高校生で、父親は息子が問題を起こすたびに転居を繰り返していた。

映画の転居はジム問題の本質から目を背けているようにも思えるが、一般的な米国人の転居率の高さは可動性の良さとも受けとれる(続きは・・・大好きな引っ越しができなくなった米国人)。

タクシーの中へ(8)

当ブログにはいくつかカテゴリーがあって、「タクシーの中へ」というものもある。前回書いてから2年以上も時間があいてしまった。

その間、タクシーに乗らなかったわけではない。むしろ以前よりも頻繁に乗っている。年間300回くらいか。このテーマで書かなくなったのは、以前のようにタクシーの運転手さんと話をしなくなったからだ。

東京の運転手さんはいま、なかなか話しかけてこなくなった。以前はこちらから話を振る前に、話をしてくる方がそれなりの割合でいた。

だがいまはこちらが話をしない限り、ほとんど無言でハンドルを握っている。運転手さんとの会話も、何百回も乗ると同じようなものになり、こちらも毎回話しかけることがなくなった。

ただ昨日乗ったタクシーは少し驚きだった。初乗りの値段が300円だったからだ。

「最近、値段を下げたんです」

80歳くらいの運転手さんは抜けた歯の隙間からスースー空気を漏らしながら、しかも笑いながら話をするので言っていることの半分くらいしかわからない。

そして「これでいいんです」と2回ほど言うと、またケラケラと笑った。

車を降りる直前、「300円というシールの写真を撮ってもいいですか」と訊くと、「どうぞ」とか「いいですよ」と言うかわりにまたケラケラを轟かせた。

ひさしぶりに楽しいタクシー乗車だった。

taxi6.22.18

Media appearance

明日の放送メディア出演予定:

 

・6月22日(金)7:00amから     東京FM(周波数80.0MHz)『クロノス

 

シンガポールで米朝首脳会談が行われてから10日ほどがたちます。米国が北朝鮮に「完全な非核化」を実行させるため、実務者同士による会合がこれから両国間で開かれます。ポンペオ国務長官は再び北朝鮮に飛ぶようです。

私は楽観をかかえながらも、心の奥では悲観的な見方しかしていないです。明日はアメリカが国連人権理事会から脱退するニュースを取り上げます。

現実味を帯びてきた米カリフォルニア州3分割

カリフォルニア州がまた揺れている。

「また」と書いたのは昨年、同州が1つの国として独立する気運が高まり、今年になってからは同州を3分割する動きが出ているからである。

昨年の独立運動のきっかけは、ドナルド・トランプ政権の誕生だった。

リベラル派の市民が多い同州では、トランプ氏の保護主義的な貿易政策から環境政策、移民政策に至るまで、反対意見が目立っていた。

納得しがたい連邦政府に税金を納めるくらいならば、独立してリベラルな国家を樹立させようとの思いが独立運動につながったが、簡単には成就しない。だが今でも運動は継続されている。(続きは・・・現実味を帯びてきた米カリフォルニア州3分割