ここは飛行機の中です(2)

昨日のブログで、アフガニスタンから飛び立った米軍のC-17に640人の市民が搭乗した写真をアップした。17日午前11時のことである。

今日(18日)の朝日新聞の夕刊を見て驚いた。なんと同じ写真が夕刊一面の左側に大きく使われていたからだ。思わず呟いてしまった。

「朝日さん、遅いよ!」

私がブログに載せた時点で、すでに欧米メディアの中には同写真を掲載しているところもあった。日本の新聞の購読者数が減っているのはこういったところにも理由があるのかもしれない。

ここは飛行機の中です

Courtesy of Defense One

タリバンが制圧したアフガニスタンのカブールから抜け出すため、市民たちは米軍の長距離輸送機(C-17)に乗り込んだ。その数640人。シートベルトもない状態で、無事にカタールに到着したという。

一般市民がいかにタリバンを毛嫌いしているかがわかる写真だ。

不自由な特派員

私はいまでも週に何回か、東京丸の内にある日本外国特派員協会のワークルームで原稿を書いている。ここには欧米の記者たちが出入りしており、多くが顔見知りである。

今日(19日)、ヨーロッパからきている特派員と廊下ですれ違ったとき、一昨日に五輪特派員としてロンドンから東京にきたばかりの記者の話をしてくれた。彼はこう言って苦笑いした。

「5月に2週間待機の免除が発表されたから、東京ではすぐに取材ができるはずだったのに、その記者は2週間ホテルから出られないって言うんだ。だからホテルの部屋でテレビカメラを回して中継していた。それだったら、ロンドンにいた方がよかったよ」

五輪が始まってからも自由に取材ができないとなると、東京にきた意味は半減してしまう。半減どころか、会社としても個人としても悔しさと怒りがこみあげてきて、五輪が始まる前から発散できないもやもやを持ち続けなくてはいけないだろう。

そんな時、「ルールを無視して自由に動き回る人がでてくるのではないか」と知人の特派員に訊くと、こう返してきた。

「ジャーナリストなので、行動力のある人が多いけれども、ほとんどの人が組織に所属しており、勝手にルールを破る人はまずいない。ルール違反は会社としても個人としてもマイナスだから」

いまでも五輪中止と申し立てている人たちがいるが、私はここまで来た以上、無観客で、粛々と開催してほしいと思っている。

復活をはたした白頭ワシ

ニュースというのは8割ほどがあまり好ましくない内容であり、悲劇といっていいかもしれません。だからニュース番組を観ていて、しらない間に笑顔になっていたということは少ないはずです。

今日は笑い声こそ出ませんが、心が少しホッコリすることを記したいと思います。アメリカの国鳥でもある白頭ワシが、絶滅の危機を脱したという話です。

from twitter

翼を広げると2メートルにもなる大型の鳥は、米紙幣のデザインから政府の印章にも使われています。その白頭ワシは300年前は全米に50万頭以上いたといわれていますが、乱獲とDDTなどの農薬の使用などにより激減。確認できている限り、1963年には413ツガイまで減り、絶滅が心配されていました。

ただ、そこから絶滅危機種に分類されて保護活動に動きがでます。そして1972年にはDDTの使用が禁止され、少しずつ個体数が増えていきます。その後、絶滅危惧種に分類され、それまで以上に保護活動が活発になります。そして今年3月末時点で、全米48州に約31万6700頭をかぞえるまでになりました。

「やればできる」。そう思わずにはいられません。

「ボク、億万長者になりました!」

海外ニュースをチェックしていると、アメリカ・テネシー州発のボーダーコリーのニュースが目にとまった。

Photo from WTVF

「ルル」という名前のメスのボーダーコリーはいま8歳。昨年末にオーナーのビル・ドリスさん(84)が亡くなってしまった。ドリスさんはずっと独身で、さらに仕事で出張が多かったため、家をあけるときは近所に住むマーサ・バートンさん(88)という女性にルルの世話を頼んでいた。

ドリスさんが亡くなった今、バートンさんがルルの面倒をみるが、ドリスさんは事業で大成功を収めた人だったので、なんとルルに500万ドル(約5億2000万円)の遺産を残したのだ。信託財産という形だが、実質的にはバートンさんがルルのために使えるお金である。

「500万ドルも使えるわけがありません」と地元テレビ局の取材に述べたあと、「まあ、やってみますが」と言って微笑んだ。