アメリカTV業界の新しいうねり

アメリカのテレビ(以下TV)業界にまた新たな動きが見られる。

ケーブルTVの視聴者が契約を破棄し始めているのだ。「高い契約料を出さなくとも他に観るものがある」という思いが視聴者の中に広がり出している。インターネットの興隆により、企業の広告費がTVからインターネットに拡散し始め、TV業界の縮小はもはや避けて通れない。

90年代後半にTV業界が盛り返してCNNやFOXTVなどは増収・増益に沸いた。ハイビジョンの普及やインターネットとの融合、オンディマンドや3Dなどの進化によって、TV業界がメディアとしての重要性を再び誇示した瞬間もあった。

しかし今またTV業界に逆風となるニュースが飛び込んできた。2011年第2四半期でケーブルTVの契約者が約58万も契約を解約したというのだ。ケーブルTV史上、これだけの視聴者を短期間で失うのは初めてである。1年ほど前からケーブルTV視聴者の減少がさざ波のように打ち寄せてはいた。関係者は、その現象がTV業界の頭打ちであるとは思っていないが、確実な下降線を描いているのは事実である、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

解雇と繁栄のはざま

解雇―。

恐ろしい言葉である。日本ではすでにリストラという別語に置き換えられているが、リストラは本来企業再編という意味である。それが企業再編の途上で解雇者を出すことから、いつの間にかリストラ=解雇に置き換えられた。

アメリカではレイオフという単語が使われる。リストラとレイオフの違いは言葉だけではない。会社をクビになる点は同じだが、社員が直面する状況に差がある。

アメリカ企業の場合、ある日突然、中間管理職であっても、上司から「You are fired!(クビ!)」と告げられれば、その日のうちに荷物をまとめて去らなくてはいけない非情さがある。すべての企業ではない。だが、日本企業の正社員では考えられない。

近日公開されるハリウッド映画『カンパニー・メン』もまさにその状況が描かれている。実は私の前妻も首都ワシントンで、ある組織から突然解雇通告を受けた。

ある日の午後である。珍しい時間に携帯がなった、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

企業全体がマーケティングのエンジン

新しいマーケティングの手法がいたる所で試されている。しかもその変転は早く、英語でいう「カッティング・エッジ(Cutting Edge・最先端)」の手法が毎日のように生み出され、マーケティングの定義が再構築されているといっても過言ではない。

マーケティングのプロでさえ、成功を導きだすための「正解はない」と述べているほどマーケティングの世界は時代と共に進化している。同時に、最先端の手法はいくつかの方向に伸びているのが特徴的だ。

その中で注目に値する手法は、企業全体を「マーケティングのエンジン」と見なす考え方だ。これまでマーケティングの職務は、マーケティング部門だけに任せる傾向が強く見られた。しかし今後は、企業全体でその責任を負うという姿勢が興隆してきている。

企業人にとってマーケティングというのは、狭義では広告・宣伝、販売促進活動などを指すことが多い。広義としては、商品企画から製造、流通、営業、顧客管理まで企業活動のほとんどをマーケティングと捉える流れがあり、そこに最新トレンドを見ることができる、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

MBAが企業を悪くさせる?!

MBAが増えすぎたことで経営が悪化する―。

経営のプロを養成するビジネススクール。MBAの功罪は長年広く議論されているが、アメリカ財界の一部で今、MBAの存在意義に疑問が投げかけられている。

その理由の1つがアメリカ製造業の競争力低下にある。MBAの資格を持つ経営者が大企業のトップに君臨しはじめたことが起因しているとの仮説がある。ゼネラル・モーターズ(GM)のロバート・ルッツ前副会長の最新刊『クルマ屋VS経理屋:ビジネス魂を求める戦い(仮題)』では、MBA経営者が増えすぎたことがアメリカのモノ作りの力の低下につながったと指摘している。

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          デトロイトのGM本社ビル

1年ほど前、本コラムの「サンプル」でアメリカ製造業の衰興について記した。同業界はすでに衰退したと思われがちだが、実は生産高は今も上昇し続けている。モノ作りの内側に変化が生じているだけである。

ただ財務諸表を気にする傾向が強いMBA出身の経営者たちは、コスト削減に重きを置くことで製造を軽視しつづけてきた一面があり、それがビッグ3の衰退につながったと説いている。

実はルッツ氏自身、カリフォルニア州立大学バークレー校でMBAを取得しているが、MBAが企業経営の万能な力を持っているわけではなく、すべての業界で秀逸であるというのは幻想に過ぎないと主張している、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

米大企業がベンチャーキャピタルに戻ってきた理由

「アメリカの景気は今後どうなりますか」

アメリカと直接ビジネスを行っていない方でも、アメリカ経済の行方は知りたいものである。

眺めるべき経済指標はたくさんあるが、一言で表現すれば「足踏みからようやく半歩前に出ただけ」というのが実情である。第1四半期のGDPは1.9%。アメリカ人にとって家計に響くガソリン代は、全米平均で1ガロン3ドル68セントにまで落ちてきた。

だが失業率は6月、再び9.2%に上昇している。市場に十分な資金が流れて企業が積極的に設備投資を行えばいいが、そうした動きによる活況の姿はまだ遠い。

たとえばバブル期であれば、投資家たちは新進企業にベンチャーキャピタル(VC)として多額の資金を割いて、大きなリターンを期待した。VCへの資金運用は、アメリカの景気を見る上で指標の1つである。

VCの大きな目標は新進企業の株式公開(IPO)で、全米ベンチャーキャピタル協会の調査によると、2010年に集まったVC資金は125億ドル(約1兆円)に過ぎなかったという。この額は03年以来の低さで、「VCは枯渇した」と形容できるくらいだ。だがここにきて、大企業がVCに資金を流入しはじめている、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。