懐かしいアメリカ

トランプ政権になってアメリカ経済は活況を呈している。それでもホームレスがいて、路上で小銭を求めてくる人がいる光景は何十年たっても変わらない。

さらにダイナー(Diner)に行くとテーブルの上にはジュークボックスがあり、60年代、70年代のヒット曲を1曲25セントで聴くことができる。

嗚呼、アメリカである・・・。

20190608diner

トランプが失脚しない訳

どうしてトランプが支持され続けているのだろうか。このところ、ずっと考えている疑問である。

これまでの政治家とは違い、人の心に響くような本音をためらいもなく口にする壮気が認められているということか。品のないというより下劣な表現が飛び出すたびに大統領としての品位を損なっているかに思えるが、むしろ多くの保守派の人たちにとっては「膝ポン」フレーズだったりする。

「よく言ってくれました」。拍手喝采する人たちが少なくない。

ハーバード大をでて、オックスフォード大にも留学し、有名なコンサルティング会社で仕事をしたあとに政治家となり、「すべての市民に健康保険を提供します」といった理想論を熱くかたる良識ある政治家(民主党候補ピート・ブディジャージ)より、自分たちの本音を代弁してくれるトランプの方がいいと思う保守層の市民は驚くほど多いのだ。

トランプの支持者は、綺麗ごとだけを述べていても世の中は変わらないと考える。トランプ本人は選挙に勝つためであれば何でもするつもりだし、実践してきた。ロシア政府と手を組んでもいいとさえ思っているかのごとくだ。

誰にもバレなければいいのだから、というメンタリティーはある種の犯罪者心理に通じる。バレてしまったらあとは揉み消せばいい、というヤクザ紛いの考え方といつも共存しているかのようでさえある。カネで解決できることはカネを使う、という姿勢も感じる。

単に打たれ強いという表現では言い表せない。トランプ支持者はこうした「トランプ流」をよく理解し、認めている。マラー報告書がだされてもトランプの支持率にほとんど変化がないのはそのためだ。

来年の選挙でも民主党は間違いなく苦戦を強いられる。(敬称略)

ロシア疑惑(12)

当ブログでロシア疑惑についてシリーズで書いてきたが、前回(8月22日)から3カ月以上も時間がたってしまった。

今年5月、特別検察官ロバート・ムラードナルド・トランプを起訴しない旨をホワイトハウスに伝えた時点で、私はムラーの役割はほぼ終わったと考えていた。ムラーは2001年から13年までFBI長官だった人物で、捜査のプロである。

そのムラーが「起訴はない」と判断した以上、トランプに手錠がかけられることはないと誰もが判断する。しかし、ムラーは過去1年半の捜査の最終報告書をまだ提出していない。

期限が決まっていないので、最終的な報告書が完成するのは来春になるかもしれないが、内容によってはトランプの大統領としての立場は脆弱になる。

ムラーは先日、20問ほどの質問状をトランプに送り、ホワイトハウス側がそれに答えたばかり。今後ムラーがトランプを起訴する可能性は低いが、報告書の内容をもとに連邦下院で過半数を奪った民主党がトランプの弾劾を前提にした動きを加速させてくることは考えられる。

弾劾には、下院で弾劾法案を通過させてから、上院で3分の2以上の議決が必要になるので、トランプを弾劾させることは事実上無理と言われている。

しかし、司法関係者の中にはトランプに召喚状を送り、大陪審の前でロシアとの関係を問いただし、最終的には最高裁まで事案をもっていくことができると判断する者もいる。

まだロシア疑惑は終わっていないのである。(敬称略)

1セントとシャープコート

ワシントンでの生活を引き払って東京にもどったのは今から11年前のことだ。

それまで25年間もアメリカにいたので、ささいな言動から考え方までずいぶん影響を受けた。いまでも心の中に根をはるようにして残っているものは多いが、表面的なところはすでに日本スタイルに戻っている、と思っている。

だからアメリカに戻ると忘れていたことがいくつもでてくる。昨日、2つほど「そうそう、アメリカはこうだった」と呟いたことがあった。

1つはスーパーのレジでの出来事だ。合計金額は11ドル38セント。クレジットカードでもよかったが、財布の中に11ドルがあることはわかっていた。あとは38セント。

ズボンの右ポケットにいつも小銭を入れており、足りると思ってすべてを出すと1セント足りない。私は「1セント、ショート(足りない)」と言って、すぐに財布から1ドル札をもう1枚だそうとした。

すると背後に並んでいた女性が、「はいこれ」と言って1セントを出してくれた。もちろん見ず知らずの人だ。私はありがとうと言って受けとり、「そうだったそうだった」と思いながら笑顔でスーパーをでた。

もうひとつは今年6月にオープンしたビルの展望デッキを訪れた時のことだ。

arlington10.23.18

展望デッキから首都ワシントンを眺めて地階に降りるエレベーターを待っているとき、大きな黒人女性が私のコートを指差しながらヒトコト。

「シャープコート!」

私ではなく、コートがカッコイイと言われたのだが、アメリカでは知らない人のコートや靴、カバンを褒めることがよくあるのを思いだした。しかもかなりの声量で、周囲の人が聞こえるような声をだす。

特に黒人の男性や女性が口にすることが多い印象だが、見ず知らずの人を褒める文化は日本にはない。

「そうだったなあ」と思うと同時に「いいなあ」という思いに浸りながらエレベーターで地階まで降りた。

凄いことになっています

半年ぶりに渡米し、中間選挙を取材している。

投票日(11月6日)までほぼ半月。市民から話を聴くと、アメリカ社会はいままで以上に分断されている印象が強い。

共和党の人間はトランプを持ち上げ、民主党支持者はトランプの批判が止まらない。

「いまは彼らと仲良くしようという動きもなければ、そんな気もない。トランプが起点になって、家族が分断し、友人が分断し、会社が分断している」

民主党の議員に投票すると言った白人男性は「名前は出さないでほしい」と言いながら、「トランプは先天的といってもいいほどのウソつき」と言い切り、しばらく話を止めなかった。

反トランプのブルーウェーブ(民主党の政党色が青)が広がり、すでに期日前投票で一票をいれた有権者数が4年前の期日前投票数より4倍も多くなっている州もある。だが10月に入ってから焦りを感じた共和党の有権者が反発し始め、接戦になる選挙区も増えており、結果は簡単に読めない。

そんな時、2種類の宝くじでしばらく当選者がでていないことを知った。一等賞金が積み上がって「メガミリオン」と「パワーボール」合わせて1000億円を超えているという。

「買いましょう、買いましょう」

久しぶりにコンビニに行って買い求めた。(敬称略)

usalotto10.19.18