数日前、とんでもないニュースが飛び込んできて、久しぶりに目を大きく見開いてしまった。
米国では「スポーツ・ジャーナリズムのバイブル」とまで言われたスポーツ誌「スポーツ・イラストレイテッド(Sport Illustrated)」が、全従業員の解雇を予定しているというのだ。報道によると、同誌の発行元が親会社に支払うライセンス料を支払うことができなくなったため、社員を解雇する意向だという。
かつては300万の購読者をかかえ、スポーツファン必読の週刊誌だったスポーツ・イラストレイテッド。 日本だけでなく近年は米国でも紙媒体の売り上げは伸び悩んでおり、2018年までは週刊誌だったが、20年からは月刊誌になっていた。私が米ワシントンに住んでいた時(1982年から2007年)、同誌を購読していたのを覚えている。他の媒体では見られない斬新な写真が多く、記事もしっかりした取材をしたうえで書かれていた。
ただネットの興隆はあまりにもすさまじく、紙の雑誌は次第に消え去る運命にあるのかもしれない。実は、同誌はデジタル版( Sports Illustrated )も出しており、こちらの読者は着実に増えていて、昨年12月のネット上での訪問者数は5000万人を超えていた。この数字は4年前の2倍だが、多くの記事は無料であるため、それが売り上げの上昇には直結しなかった。
1954年創刊なので今年で70年目を迎えており、なんとか存続してほしいと思うが、時代の流れはその願いに逆行しているようだ。