テッド・ターナーという人物

CNNの創設者であるテッド・ターナー氏(以下ターナー)が亡くなった。87歳だった。ターナーがCNNを立ち上げた時、今のような成功を見通せた人はほとんどいなかったと言われている。

1980年6月1日にCNNを開局したとき、懐疑的な人たちは「チキンヌードル・ネットワーク」と揶揄した。英語でチキンヌードルというのは「安くて特徴がなく質素」という意味で、すぐに潰れるだろうとの見方が大勢をしめていた。今から46年前のことである。テーブルテレビが今のような利用頻度を得られていない時代、地上波のテレビ局を凌駕すると誰が思っただろうか。

ただターナーは1970年にはすでにテレビ事業に参入していた。思いついたら限界までやりきる人だったので、本社のあるアトランタ市に古い邸宅を購入し、テレビ機材を入れて人材を揃え、CNNをスタートさせた。ただ1985年まで赤字が続いている。

しかしCNNのスタッフたちは他局とは一線を画する報道を続けた。特に1991年の湾岸戦争では地上波のキャスターが安全な場所から報道するのに対し、CNNのピーター・アーネット氏などは現地から臨場感あふれる中継を続けて注目された。それでもターナーの私生活は慌ただしく、3度の結婚と3度の離婚を経験。本人も「理想的な状況ではなかった」と認めている。

1990年には環境保護のためにターナー財団を設立。1997年には国連に10億ドル(約1560億円)を寄付している。さらにニューメキシコ州に、全州の約5%の土地を所有していたが、亡くなる数年前から広大な土地をネイティブ・アメリカンに寄贈し始めていた。

惜しい人が亡くなってしまったが、ターナーの思いは必ずや周囲の人たちに引き継がれていくだろうと思っている。