メディアの総合格闘技

FM RADIO:      火曜(11日)午前7時半からBayFMに出演してアメリカ側からの普天間問題の見方を語ります。

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先日、ある女性雑誌の前編集長とランチをともにし、出版業界の厳しさが増しているとの話を改めて聴いた。誰もが知る月刊女性誌であるが、「広告が激減し、広告収入が以前の半分になりました。完売しても赤字です」という。

売り切れても赤字という事実は、旧来のビジネスモデルが破たんしたことを意味する。それは雑誌広告が一定以上入っていた時のものであり、広告が減った今となっては機能しない。多くの男性週刊誌も同じ状況で、広告が持ち直さない限り経営は成り立っていかない。

先週、『ニューズウィーク』が身売りされたというニュースは時代を反映している。親会社のワシントン・ポストは、『ニューズウィーク』部門の赤字計上で売らざるを得なくなったとしており、ネットの伸張に屈した形となった。

メディア業界で生きている私にとっても人ごとではない。

そこでしばらく前から、活字だけでなくテレビ、ラジオといった電波メディア、SNSやツイッターなどの電子メディア、また英語メディアにも積極的に出ていっている。新しい技を身につけないと時代に先を越されてしまう。

メディアの総合格闘技の習得である。

あと45秒です!

日テレNEWS24に出演したときの動画を貼りつけます(4月27日:GM再生とトヨタ問題)。

私の担当時間は8分。番組はナマなので、時間通りに進行しなくてはいけない。

キャスターの中島静佳が横に座っているので、それほど進行を気にする必要はないが、カメラの横にいるフロアディレクターから残り「7分」、「6分」、「5分」と書かれた紙を順にだされると、そのたびに心臓により強い波が打ちつけられる。

番組の前に、ディレクターから「堀田さん、8分ですが9分くらいまでは伸ばせますから」と言われていた。

残り時間を示す紙が、いよいよ「1分」に変わる。

「まとまるかなあ」

口調をいくぶん速めながら、まだまだ話すことがあるのでどこを外すかを考えながら、再びフロアディレクターをみると、「45秒」がでた。

「足りないや」。一瞬アッとなる。「今日は足りない」

8分を使いきってもまだ話は終わらなかったが、コーナーはなんとか9分以内で終えられた。

話す内容を気にしながらフリップを出し、残り時間に目をやりながら、キャスターの目を見て話す。その向こうには視聴者の方がいる。

要求されるのは「マルチタスカー」。(敬称略)