変わる常識

時代と共に、これまで世間に流布していた常識が変わっていくことがある。

たとえば、『酒は百薬の長』という言葉もあるように、昔から適量の酒は心身によい影響を与えると考えられてきた。日々のストレスを緩和し、血行を促進して食欲を増進させるとも言われてきた。

国税庁のHPにも、「飲酒は、精神のストレスを和らげ、血行を促進し食欲を増進するなど健康を守るうえで、一定の効果を生むものと考えられます」との記述があった。だが今年3月、この一文が削除された。というのも、内閣府食品安全委員会の食品安全モニターからこの記載に訂正要求を突きつけたからだ。 

それは現在の科学的知見によると、アルコールに適量が存在するわけではなく、飲酒の量が多いほど大腸がんや乳がんなどのリスクが上がることが証明されはじめてきたからだ。がん予防の観点からは「安全な飲酒量は存在しない」との見方が主流になってきており、世界保健機関(WHO)なども「お酒に安全な量(適量)はない」という厳しい姿勢をとっている。

また国立がん研究センターは今年6月、「科学的根拠に基づくがん予防法5+1」の第3版を刷新し、飲酒に関する推奨度をこれまでの「節酒(ほどほどに)」から「飲酒を控える」へと厳格化させている。

がん予防の観点において「安全な飲酒量は存在しない」との考え方に変わってきたのである。”飲んべえ”のみなさんはどう思われるだろうか。