相変わらずの男社会

いま『なぜ東大は男だらけなのか』(集英社新書)という本が話題になっている。書いたのは東大副学長の矢口祐人氏。男女同権という言葉はずいぶん昔からあるが、いまだに日本社会では男性の比率が高い分野が多い。その一つが東大の学生の男性比率だ。

2024年の東大の学部生の男性比率は78.66%。過去20年をながめても男女比はほぼ8対2で、大きな変化はない。女性教授陣も22年時点で1割にも届いていないという。矢口氏は「このままでは東大に未来はない」とまで述べる。多くの留学生は「東大の男女比率はありえない」と驚きを隠さない。

朝日新聞の取材に、矢口氏はこう言う。

「そもそも大学は男性のために存在しているのではありません。大学は既存の考えや事柄を疑い、批判的に考える場。そう考えると、男性に偏った環境がいいはずがありません」

東大が最高学府という存在であることは誰もが知る。偏差値が最も高い大学であることで女性が敬遠するのだろうか。矢口氏はこのまま自然にまかせていては女性の比率はあがらないという。そこで一定割合を女性に割り当てるクォータ制を導入すべきであると提案する。

「大学には多様性をもたらす学生がいかに全員のためになっているか、繰り返し訴えていくことが欠かせません。私を含めて東大は徹底的に議論しないといけません」

私が個人的に思うのは、女性が「どうしても行きたい」と思えるような大学にしていく必要があるという点だ。女性にとっても多大な魅力がある大学に変貌していけば、自ずと女性の比率はあがるだろうと思われる。何しろ、上智大学は62.44%が女性だし、立教大学も53.36%が女性である。けっして不可能ではないはずだ。

女子たちよ、東大を目指せ!