文字vs写真

私は1990年にジャーナリストとして独立して以来、ずっと原稿を書いて生活してきている。時々、写真も撮って原稿に添えるが、プロとして雑誌やネットに写真を発表する時は基本的にプロのカメラマンにお願いすることにしている。

彼らの仕事ぶりを見るにつけ、いくらカメラの性能が向上し、スマホでも撮れる時代になっても、やはりプロには適わないと思わざるを得ない現実をみてきたからだ。

モノを書く人間と画像を撮る人間は何かを表現するという点では同じだが、野球の投手と打者のような差異があり、大谷翔平氏のように一人で両方を器用にこなす人もいるが、ほとんどの場合どちらかに落ち着く。私は最初から文字を選んだ。

取材対象によっては、文字でないと細部を説明できない状況や事象がある一方で、一枚の写真の方が圧倒的に見る側に強いインパクトを与えることも少なくない。「この写真をみてもらえば他に説明はいらない」という作品だ。一枚の写真の持つインパクトは時に1000字の原稿よりも強かったりする。その一枚さえ見ればすべて理解できるし、心の中に残り続けるという作品だ。

たとえば下の写真はアーティスティックな画像であることもあり、見る側に与えるインパクトは写真ならではのものがあり、文字で説明すると野暮ったくなってしまう。

この画像はドローンで撮られたもので、新しい境地が開かれている。

Camel's Shadow @abstractaerialart / Instagram.com
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