日米比較:マンション価格

数日前、ニューヨーク市マンハッタンの家賃が2年ぶりに下落したというニュースがあった。下落率をみると、月々の家賃の中央値(平均ではない)が4095ドル(58万1500円)から4000ドル(56万8000円)に下がっていた。

下がったといっても56万円である。ニュースでは中央値という言葉が使われているだけで、部屋の間取りや広さについての言及はない。東京の一般的なマンションに比べればマンハッタンであってもかなり広いはずだが、それでも56万円という値段はかなりの高額である。

それでは東京の平均的なマンションの家賃はいくらなのか。NHKが発表している数字では、単身者向き(30㎡)の平均が8万8769円、カップル向き(50㎡)が13万6233円、ファミリー向き(70㎡)が20万5923円、そして大型ファミリー向け(70㎡以上)が35万6552円となっており、ニューヨークと比較するとかなり割安感がある。

家賃が高いということは、給与も日本よりは高いことが想像できる。国家間の給与比較をするサイト「Salary Explorer」によると、アメリカ人の平均年収は$94,700(約1344万円)であるのに対し、日本人の平均年収は457万円(9月発表の国税庁の数字)。こうした数字を眺める限り、東京の家賃が70㎡で約20万円であることは十分に納得がいく。

私が2007年にアメリカでの永住をやめて日本に戻る前、首都ワシントンに隣接するバージニア州アーリントン郡のマンションに住んでいた。30年ローンで購入したのだが、月々のマンション管理費が900ドル(約12万8000円)だった。家賃ではなく管理費が12万強というのは異様な高さだと当時思っていた。そこに月々のローンの返済がある。いま考えると、よくやっていたと思う。

一般的に家屋の価格は日本よりもアメリカの方が安いとのイメージがあるが、場所によってはアメリカの方がはるかに高いのである。