南極の海氷が観測史上最小に

北半球は今、各地で記録的な暑さがつづいてる。だが南半球は今が冬で、本来であればこの時期に南極の海氷(氷床ではない)が増えなくてはいけないが、今年は海氷の成形が大幅に遅れており、今月10日現在、観測史上最小を記録している。

ニュージーランドのビクトリア大学ウェリントン南極研究センターのディレクター、ティム・ナイシュ氏によると、現在の海氷面積は過去40年の平均値を約20%も下回っているという。

南極の海氷は海や大気の温度を調節しているだけでなく、海水を循環させ、ペンギンをはじめとする動物や生態系を維持する役割をはたしているので、急激な減少は悪影響でしかない。

海氷が減少すると南極大陸の氷床が外洋に晒されることになり、海氷が溶けて世界中の沿岸に住む人々に影響を与える。解氷が続いて限界を超えてしまうと、不可逆的な変化が訪れて、世界中の海面レベルが上昇することになる。

海氷面積が例年よりも20%少ないというのは、広さでいえばニュージーランドの面積の約10倍ということで、各国代表が早急に集まって、世界レベルで真剣に対策を講じる必要がある。