中間選挙:開票まで1週間

今春まで、中間選挙は民主党有利で動いていた。だが「選挙は水もの」と言われるように、何が起きるかわからない。現時点の世論調査結果をみるかぎり、共和党有利で進んでいる。

というのも、米有権者の62%がバイデン大統領の仕事ぶりに不満をいだいているからだ。最近になって予想を上回るインフレ率が示されたことにもよるが、経済問題がバイデン政権の足かせになっている。私が渡米した1982年の頃から、「選挙は水もの」であると同時に「経済が結果を左右する」といわれてきた。有権者の懐ぐあいが悪ければ政権党が不利になる。

すでにホワイトハウスの民主党関係者ですら、連邦議会の上下両院で過半数を共和党に奪われるとの見方をしているという。さらにバイデン氏の個人的な支持率は40%で、9月よりも2ポイント下降した。

それでも今年6月24日、 米最高裁が1973年に認めた人工妊娠中絶の判断を覆したことで、女性の中絶権が奪われたとして民主党に追い風が吹いてもいた。若者や女性の有権者登録も増えた。だが10月になって中絶の権利保護を争点にすえていた戦略は「ピークアウト」し、勢いがなくなり、連邦下院はいま共和党が過半数を奪う公算が強まっている。

上院は接戦だが、共和党が両院の過半数を握る可能性が高まっている。