状況は悪化している:新型コロナ(37)

ニュースを見聞きしている限り、昨日と今日(5日、6日)の東京都の新型コロナウイルスの新規感染者がそれぞれ621人と591人だったことから、少しばかりの安堵が広がっているかにみえる。5月1日には陽性者数が1000人を超えていたので、落ち着いてきたとの見方があるが、私はむしろ状況は悪化していると思っている。

理由は2点ある。一つはこれまでも当ブログで述べてきたとおり、昨日と今日は単に検査数が少なかっただけで、その中での陽性者数にすぎないからである。テレビも新聞も感染者数は報じるが、検査数はほとんど報じない。たとえば4日のPCR検査人数は6585人、5日は5513人である。ところが、陽性者数が1000人を超えた5月1日の前日である4月30日の検査数は8230人である。

当たり前だが、いまの社会状況ではより多くの人を検査すればより多くの感染者がでる。仮に東京都が1日20万のPCR検査をする体制を整えたとしたら、いったいどうなるのか。

もう一つの理由が陽性率の悪化である。これは東京都が開設している「新型コロナウイルス感染症対策サイト」を眺めれば一目瞭然で、ゴールデンウィーク中は検査数が減って感染者数も減ったが、実は陽性率は上がっているのである。

これは危機的状況といってもいいかもしれない。5月5日の陽性率は8.8%である。ところが1週間前の4月28日の陽性率は6.5%。この1週間で急に悪化している。たとえば4月1日の陽性率は4.2%であり、3月1日の陽性率は3.3%だったので、上昇しつづけている。単純計算では、2カ月ほど前は100人のうち感染者は3人だったが、今は9人になったということである。全国ではなく東京都の数字だが、状況は確実に悪化していると言えるだろう。

菅首相はこの状況を正確に国民に伝えるべきである。