第1回討論会:2020年大統領選(45)

ヒトコトで述べるならば「愚劣なショー」だった・・。

トランプ大統領とバイデン候補の討論会はすでに日本でも大きく報道され、いまさらコメントするのもおこがましいくらいだが、少しだけ触れたい。

昨日は最初から最後まで生放送で観たが、「非難合戦に終始した下劣な言い争い」といった内容で、落胆と同時にアメリカ大統領に失望感さえ味わうほどだった。それでもアメリカでは7310万人が視聴しており、自分たちのトップを決める戦いだけに注目度は高かった。

トランプ氏が最初から「内容のある話をしない」ことは事前の米報道からわかっていた。討論のアドバイスをした元ニュージャージー州知事でトランプ氏の友人であるクリス・クリスティー氏から攻撃型のスタイルで行くとの話と、議題については練り込んでいないという話が伝わってきていた。そのため、トランプ氏から新しい政策や具体的な数字などは期待できなかった。とにかくバイデン氏を攻撃することが前面にでてしまった。

Photo from Foxnews

バイデン氏の方も、トランプ氏が威圧するような攻撃スタイルでくることがわかっていたので、最初から2人は同じように相手を非難しつづけることに終始していた。「決してディフェンシブにならないこと」というアメリカの討論会での基本姿勢があるが、それを何倍も過激にした「非難し続けること」という態度は視聴者を辟易させると同時に、嫌悪感すら抱かせる結果となったのは残念である。

大統領選挙は1年以上にわたって続けられるため、現時点では約9割の有権者はすでにどちらに投票するか決めており、討論会の良し悪しが投票行動には影響を与えることは少ない。よれよりも、視聴者はトランプ氏の粗暴な性格を再認識すると同時に、バイデン氏も荒くれのところがあることをに判別したはずである。

2回目以降はもう少し「これからのアメリカ」を議論してほしいものである。