有志連合は入る必要なし

新しく米国防長官になったマーク・エスパーがもうすぐ来日する。オーストラリア、ニュージーランドを回ってからくるが、対イランに向けての有志連合への参加を日本に促すためだ。

トランプはイラン嫌いのポンペオとボルトンに影響をうけて、イランへの強硬姿勢を強めている。もちろん戦争をしかける準備であるが、現時点でイランに軍事攻撃をすることは国際法上も道義的にも合理性がともなわないし、理不尽である。

イランが進めている核開発をこころよく思わないことは理解できる。だがウラン濃縮度の上限が2015年の核合意できめた数値(3.67%)を超えても、まだ核兵器を製造したわけではない。イランが核保有国になったという証拠はまだない。イランが他国を軍事攻撃したわけでもない。

湾岸戦争時、アメリカは多国籍軍を先導してイラクに攻め込んだ。当時、イラクがクウェートに軍事侵攻したこと自体が大問題であり、国連が多国籍軍の派遣を決定した経緯があって戦争にいたっている。

しかし今、核兵器を所有してもいないイランに軍事攻撃をしかける理由が見当たらない。トランプ政権の暴挙としか言えない。もし核開発ということが理由であるなら、なぜ北朝鮮を攻撃しないのか。

日本はエスパーに有志連合に説得されても逆に「軍事攻撃などもってのほか」と諭さないといけない。(敬称略)