トランプ社会主義国?

いよいよ米中は本格的な貿易戦争に足を踏み入れてしまった。

トランプはフランスで開催されるG7に出席するため、米時間23日夜にワシントンを発ったが、その前にツイッターで強烈なパンチを習近平におみまいしている。

ここまで習とは制裁関税の打ち合いをしてきたが、習はトランプの脅しにまったく怯まない。怯まないどころか、強気の姿勢をさらに強めている。トランプも同じである。

23日、トランプは中国でビジネスをする米企業に対し、「中国の代替先をすぐに探すように命じる。米国にビジネスを戻して米国内で製造することも考えるべき」と書いた。さらに中国に商品をとどけているフェデックスやUPS、アマゾンに宅配を中止するようにも呼びかけた。

常識ではほとんど考えられないほど横暴な言い分である。もちろん、いくらトランプであっても民間企業のビジネス慣行に口出しすることはできないし、あってはならない行為である。従う必要はない。

しかしトランプが真剣に「政府の命令」と捉えるならば、アメリカは「トランプ社会主義国」になりつつあるということに等しい。トランプの負けず嫌いの性格は、習にも見てとれるので、短期的に両者のどちらかが歩み寄るとは思えない。

トランプ不況はいよいよ現実になりそうな気配である。(敬称略)