オリンピックという心情

冬季オリンピックが始まった。

これから2週間はテレビも新聞も偏向報道に徹する。偏向報道といってもオリンピックやワールドカップでは自然なことで、日本だけでなくアメリカでもブラジルでも、メディアを含めて国民は自国選手しか応援しなくなる。

特にテレビは顕著で、日本の代表としてオリンピックに行っている選手をむやみに批判しようものなら、かなりのバッシングを受ける。日本選手をさしおいて他国選手を称賛してはいけない空気が満ち満ちている。

それは報道すべき内容に最初から色がついているということに他ならない。

日本人選手を応援することに異論はないが、他者の声を許容しなくなる姿勢も気がかりで、眼にはみえない国民総動員的な動きは私が苦手とするものだ。

流れのなかに入ってしまえば「怖いものナシ」的な歓喜を味わえもするが、私のようなひねくれ者は脇に追いやられる。

私も葛西や高梨に金メダルを獲ってほしいが、少数意見がいつも以上に軽視される2週間になるので「アアアアア」と叫びたくなるのである。(敬称略)