トランプ、追い込まれるか

目の病気でゼイゼイいっている間に、大変なことが起きていた。

国内問題の筆頭は、なんといってもバラバラ殺人事件である。全容解明には少し時間がかかりそうだが、犯人は逮捕され、供述を始めているので、今後は全メディアがあらゆる角度から報道していくだろう。

アメリカではロシアゲート事件が、動いた。7月に当欄で書いたとおりのことが起こる可能性がある(今度はどうなる?)。トランプはアジア歴訪などしている場合ではないはずだ。

ある人はワシントンを離れられるのでいいと言う。逆である。ホワイトハウスからの同行記者が、5カ国歴訪中ずっとついて回るので、トランプへの質問の8割はロシアゲートになるはずだ。

10月27日、トランプの選挙対策本部長だったポール・マナフォートと副本部長リチャード・ゲーツが起訴され、ますますウォーターゲート事件に似てきている。

起訴状を入手して読んだ。特別検察官のロバート・ムラーが厳格に、トランプ政権からの圧力に屈せずに捜査を進めてきた結果が書かれていた。敬服するしかない。

さらに外交顧問だったジョージ・パパドポロスという男も7月に逮捕していた。パパドポロスはまだ30歳で、外交顧問と呼ぶには経験が足りない。そのぶんムラーのチームの司法取引に応じて、トランプ周辺の人物の違法行為をしゃべっているようだ。

上記の3人には間違いなく実刑がくだる。

あとは国家安全保障担当補佐官だったマイケル・フリン、石油・エネルギー・コンサルタントのカーター・ペイジ、ジャレッド・クシュナー、トランプ・ジュニアが起訴されるかどうかだ。

そして最後にトランプ本人がすべてのことを知っていたかどうかが問われる。

もちろん、そこまで進まないこともあるが、ロシア政府による選挙介入が「親分」の耳に入っていないわけがないというのが私の見立てだ。(敬称略)