いただけない日馬富士

モンゴル人の関取のなかではもっとも好きだった日馬富士(日馬富士と豪栄道の違い)。29日午後、引退会見を行った。

テレビで会見を観たが、傷害事件を起こした人物とは思えない言い草で、呆れてしまった。

騒動が起きてから、日馬富士は貴ノ岩に謝罪していない。記者会見という場であればなおのこと、冒頭で貴ノ岩の名前をだして謝らなくてはいけなかった。だが謝罪をしたのは親方や日馬富士の関係者に対してであって、被害者ではなかった。

理由がどうであれ、傷害を加えた相手を思いやれないというのは横綱としてというより人間として失格だろう。それよりも、日馬富士が口にしたのは貴ノ岩がいかに礼儀と礼節に欠いていたかということだった。

いろいろな事情があることはわかる。だが、頭をかち割るまで暴力を振るったことへの謝罪をしない理由はない。

さらに日馬富士は「かわいがり」などしたことがないし、見たこともないと断言した。これが虚言であることは誰の目にも明らかだろう。

好きだった日馬富士が遠くに行ってしまった。(敬称略)