久しぶりに首都ワシントンにもどっていろいろな人と話をすると、トランプ政権への怒りを通り越した「あきらめ」と「虚無感」を感じる。
「暗殺されてほしい」と言った人もいたが、それは日本でも同じだ。だがアメリカ人のほぼ半分はトランプ支持者である。
「オバマの8年間はひどかったからね。トランプがなんとか経済が立て直してくれると思う」
スタバでであったケンタッキー州ルイビル市出身の男性はトランプを推していた。すぐに訊いた。
「それでは昨年11月には、トランプに一票を入れたわけですね」
「ああ入れたよ。ビジネスマンとして成功しているから、ワシントンでも成功するだろう」
「大統領として、あの乱暴な言動はどう思いますか」とぶつけた。
「俺はあのエクストリーム(極限)さが好きなんだ」
まるで身内の自慢話を聴いているようだった。最後に「トランプには期待している」と口にすると、綺麗にならんだ歯をのぞかせた。
学者や専門家の話にも耳をかたむけるが、市民の話が興味深い。
アメリカの分断ーー。
融合させようとする力学はいまのところ存在していないかに見える。