自民はもうイヤ、民主はもういい、でも他に何が

過去1ヵ月ほど、アメリカ大統領選のことばかりを書いてきた。選挙が行われたのは今月6日だったが、もう数ヵ月前のことのように思える。

目の前には日本の総選挙が迫っている。

実は10月下旬、政治家を交えたいつもの勉強会で、自民党の大物議員を招いた。テレビによく登場するその議員は腰が低く、言葉使いも丁寧だ。それは表面的なものではなく、すでに本人の皮膚のようになっていることはしばらく歓談すればわかる。

個人的にその議員を推すかと問われれば「ノー」だけれども、人物としても政治家としても一翼をなすだけの男だった。オタクとしての素養は政策通として知られるだけのことはあり、いずれは首相になる人かもしれない。

ただ14党が乱立した次期選挙は、すでに日本の議会制民主主義が機能していないことを物語っているようだ。特に行政機能が弱すぎる。それは本来法律を成立させるために仕事をする国会議員が官僚に法案作成のほとんどを任せ、行政分野においても官僚に牛耳られているという体たらくに一因がある。

議員たちは自分たちの生き残り(選挙でいかに勝つか)が最大の関心事で、「国民のため」という前提がすでに理想になって久しい。

たぶん小沢一郎が本気を出していれば、岩手をはじめとした東北地方の復興ははるかに進んでいたはずだ。他の政治家も、東日本大震災の復旧・復興をスピーディーに行うとは言っても言葉だけに終わっている。

12月の選挙でも結局は答えがでないのである。(敬称略)