銃文化に変化か

今朝、文化放送に出演した時にも話をしたが、フロリダ州で14日に起きた銃乱射事件を契機に、アメリカの銃文化に2つの動きがみられる。

1つは銃砲メーカーのレミントン社が会社更生法(チャプター11)を申請したことだ。今回の事件とは直接関係ないが、200年以上も続くレミントンが実質的に倒産したのは何故なのだろうか。

実はトランプ政権になって、銃が売れなくなっていたのだ。銃を擁護する立場の共和党政権なのに何故と思われるかもしれない。政府が銃規制にあまくなると、市民はいつでも銃を買えると思い、わざわざ新しい銃を購入しなくなる。

オバマ政権時代にくらべると、レミントンもマグナムを製造しているスミス&ウェットンも売上は軒並み3割も落ちた。オバマ時代はむしろ、銃規制に対抗するため「政治的メッセージ」として銃を購入する動きがあったのだ。

2つ目は、度重なる銃乱射事件で、ようやく共和党の中から銃規制への機運が起きはじめたことだ。

ブッシュ家と仲のいい資産家アル・ホフマン・ジュニアは先週、複数の共和党の政治家に対し、銃規制の法案に賛成しない限り、今年の中間選挙には政治献金をしないと宣言したのだ。

億万長者であるホフマンが銃規制に動くことはいい動きである。

全米ライフル協会は依然として年間予算約470億円もの巨費を使って政治力を発揮しつづけるだろうが、これまで銃の擁護派だった共和党の中から少しでも規制派が増えれば変化はうまれるはずだ。

民主主義というのは小さな一歩を前に出し続けることが大切で、いずれは「あのアメリカが変わった」という日がくることを願っている。(敬称略)

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明日の放送メディア出演予定:

 

・2月19日(月)9:00amから 文化放送AMラジオ(出演は11:00am過ぎから) 『くにまるジャパン 極 

 

平昌五輪は取材していませんが、オリンピックについての話をします。なぜ競技が朝と夜間に集中しているのか。さらに先週フロリダ州で起きた銃乱射事件についても話をする予定です。スタジオには小倉智昭さんもいます。

平昌外交で優柔不断ぶりを世界に発信した米国

平昌五輪を契機にして、北朝鮮と米国との関係が雪解けを迎えるのか――。

開会式の前から米国が北朝鮮と対話をするかもしれないとの話は流れていた。だがホワイトハウスの報道官は、マイク・ペンス副大統領の訪韓前、対話することはないときっぱりと否定していた。

しかし米政府高官は韓国の文在寅大統領に対し、米国が北朝鮮と対話する用意があることを事前に告げていたことが分かった。

韓国政府がその事実を認めたのが13日。開会式を挟んで、米北韓の3国は外交上の駆け引きを活発化させていたわけだ(続きは・・・平昌外交で優柔不断ぶりを世界に発信した米国)。

pence2.15.18

Photo from the White House

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明日の放送メディア出演予定:

 

・2月12日(月)10:25amから テレビ朝日『ワイド!スクランブル

 

平昌オリンピックの開催中でもアメリカ、北朝鮮、韓国、日本の外交問題は途絶えません。南北の関係は雪解けと捉えるべきなのか、それともオリンピック開催中だけなのか。明日もこの問題です。

 

オリンピックという心情

冬季オリンピックが始まった。

これから2週間はテレビも新聞も偏向報道に徹する。偏向報道といってもオリンピックやワールドカップでは自然なことで、日本だけでなくアメリカでもブラジルでも、メディアを含めて国民は自国選手しか応援しなくなる。

特にテレビは顕著で、日本の代表としてオリンピックに行っている選手をむやみに批判しようものなら、かなりのバッシングを受ける。日本選手をさしおいて他国選手を称賛してはいけない空気が満ち満ちている。

それは報道すべき内容に最初から色がついているということに他ならない。

日本人選手を応援することに異論はないが、他者の声を許容しなくなる姿勢も気がかりで、眼にはみえない国民総動員的な動きは私が苦手とするものだ。

流れのなかに入ってしまえば「怖いものナシ」的な歓喜を味わえもするが、私のようなひねくれ者は脇に追いやられる。

私も葛西や高梨に金メダルを獲ってほしいが、少数意見がいつも以上に軽視される2週間になるので「アアアアア」と叫びたくなるのである。(敬称略)